第3話席替え後
席替えで隣になったので話さないわけにもいかず、翔はとりあえず口を開いた。
「隣よろしくね」
「よろしく」
予想通り月城からは若干冷たい返事が返ってきた。気まずく思った翔は「この前のことなら秘密にするから安心して」と言おうと思い喋り始めた。
「この前のことなんだけど、
その瞬間
「そのことについて話があるから、放課後屋上にきて」と遮られた。
翔は少し変に思いながらも
「わかった」とこたえた。
放課後
月城は日に当たって明るいロングの髪を靡かせながら待っていた。
「ごめんちょっと蒼に止められて遅くなった。」
「大丈夫です。それで、話なんですが、一ノ瀬さんのお父さんが私の父に、私たちの高校の話をしたらしく、私たちが同じ学校ということが父に知られました。」
翔はあー父さんには高校のことは誰にも言うなっていってあったのにと思いつつ
「あーそれは俺の父さんが面倒かけて申し訳ない。」と言った。
「いえ、それはしょうがないことなので。それで父が私にあなたの連絡先を聞いてこいと。」
「そういうことなら連絡先くらいぜんぜんいいけど。月城はいろいろ面倒なんだな。まあうちも大概だけど。」
実は翔も父親に最近ちょっとしたお見合い的なものを勧められていた。だからというわけでもないが翔はなるべくこの女の子に協力してあげようと考えた。
「ありがとうございます。一ノ瀬さんは身分を隠しているのに大変なんですか。」
「いやー最近、お見合い?的なのを勧められてて」
「ほんとですか!私もそんな感じです。前一緒にいた佐々木さんはそれで出会いました。」
翔の目から見ると月城は翔のことをきき、少し心を開いたようだった。
「そっか、それでつきあわされてるんだ」
「はい、私は了承したつもりなんて一切ないのに!それなのに今度は一ノ瀬さんといい関係になって来いって信じられません。」
「ほんとに、いい関係って、また付き合うとかどうとかってこと?」翔は驚きながら尋ねる。
「はい、私の父は見境なしですよ」
「じゃあ、俺と付き合ってみる?」
気がついたら学年一のハーフ美女と婚約まで話が進んでいて @395851
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