ひたすら健気。その姿に胸を打たれます。
主人公は猫の「ハナ」。ハナは猫であるがゆえ、九つの命がある。その命を使い、怪異などから人を守ろうとします。
地域では「かくれんぼ様」という神様がいたが、かつては優しい神であった彼女は忘れ去られ、徐々に人をさらう「祟り神」と化してしまうことに。
ハナは九つの命を使い、どうにかして彼女から人守ろうと奮闘します。
あくまでも人間の目からは可愛い猫としか見えない。そんな彼女が必死に知恵を絞り、人知れず怪異と死闘を繰り広げる。
地域の守り神を自負し、無償の愛で人を守る姿。それがとにかく胸を熱くします。
短篇ながらも、一個の大きな世界を体感したような気持ちになれる本作。是非ともオススメしたいです。