第2話「友蔵、JKリフレでファック」

 俺は友蔵。

 誠にファッキンな日本のポリスメンズにより牢屋にぶち込まれたが、どうやら俺の父親を名乗る男が示談金を出したらしくめちゃくちゃ簡単に出所することができた。だがそれはおかしい俺はパパもママもいねえ。太古の昔に死んでいるはずだ。俺の家族はマルコしかいねえはずなのに。


 あ、そうだ。

 マルコだ。

 俺はマルコを探さねばならなかった。


 ──なぜなら俺は友蔵。マルコを助け出せるのは俺しかいねえからだ。


 出所した俺は俺の父を名乗るブスジジイから新品の洋服と新品のスマホを受け取る。俺はそのスマホを使って早速近くのJKリフレ店を検索した。俺の第六感がそこにマルコがいると告げているからだった。


 早速目についた店のホームページにアクセスする。おおよそ制服と呼ぶには薄すぎるコスプレ感満載のソレをまとい、肩や脚をあざとくはだけさせている生粋の生娘どもがたくさん目につく。この中からマルコを選ばなければならないらしい。


 俺は勃起したファロセントが一番むらむらする生娘を予約した。むらむらするってことはこいつがマルコってことだ。俺の第六感は常にパーフェクトである。マルコは黒髪ショートでインナーカラーを青く染めている。


 細いわりに下半身のラインがやけに肉感のある、触れたらパンみたいな触感がしそうな体つき。目元は手で覆って隠されていてわからないがマルコであればゴマと練り消しの中間みてえな目をしてるに違いない。えげつねえ娘にマルコは育ったみたいだ。


 どうやらオンライン予約が必要らしいがこの俺にはスタンガン様がついているので問題はないだろう。俺は埼京線に乗って池袋まで向かい、西口を少し歩いた裏路地に着く。薄暗い道の、排気ガスで汚染された下品な空気が俺の鼻孔をファックする。こんなところに放置しちゃっててマルコごめん。今日こそマルコを救ってみせようと意を決して店に入った。


 そこにいたやる気のなさそうな糸目で太った中年男性がカタコトな日本語で「お兄さん予約は?」とか言ってきやがったのでスタンガン様をバチバチさせて見せたらプチョヘンザして黙り込んでしまった。俺が求めるのは予約じゃなくてマルコだ。そう告げると「ちょっとお兄さんもう冗談は止してくださいよもお」とか言ってきたが冗談じゃないマルコだ。


「マルコをよこせ」


 俺は言うが、おっさんは両手を酷く震わせながら俺にアルバムを見せて来た。その中に、サイトで見つけたマルコがいたので指を刺すと急いでおっさんは俺を店の中まで案内してきた。


 俺はスタンガンをおっさんの背中に当てながら言う。

「ホテルじゃないのか」

おっさんは泣きそうな声で、

「この店は中に個室があるので……」

「にゃあああああああん(歓喜)」

「はい……」

 

 そして俺様友蔵とおっさんは扉の前までたどり着いた。

 扉の前には英語で「heavens door」と書かれており、扉頭上には「on-air」と書かれたランプが赤く点灯している。


「この扉の奥にあるのか」と俺は訊いた。

「はい。この扉をくぐれば、お客様のサービスは開始でございます」

「そうか、なら──」

「と、その前に」


 ん、なんだか背中に冷たい鉄塊みたいなものを当てられているような感触。

 HAHA、おっさんが嗤う。


「貴様は御客様になる前にここで死んでもれぇます」


 カチリ、とハンマーが引かれた音が聞こえた。

「おい、なんのつもりだ。マルコはどこだ」

「HAHA」


 ふたたびおっさんは嗤い──、


「よぉ友蔵。久しぶりだな、オレだよ、さくらひろしだよ」


 俺は素早く振り向き、刹那、スタンガンを奴の足にバチチチチチッ!


「あぐぅっ」


 おっさんは床に倒れ、エビみたいにビクンビクンのけぞって失神した。

 あぶねえ、あぶねえ。

 こいつはキチゲエだ。

 見るからにおっさんなのに、自分のことをさくらひろしとのたまっている。

 控えめにいって頭がおかしい。こんな発狂クソジジイとマルコを合わせるわけにはいかない。ゴミはゴミ箱へ。じゃあなゴミMAN、グッバイフォーエバー。


「さてと、行くかぁ……」


 ゴミはほっといてマルコだ。俺はマルコへと向かうため、『heavens door』の扉を開けた。


 キィィィイ……




《つづく》




 

 

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自分のことをさくら友蔵だと思っている一般狂人男の日常 佐々岡式大回転 @kakukakukakukakukaku0910

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