志草ねなさんの『彼女の運命は私が決める』は、創作の舞台裏と物語世界が巧みに絡み合う、極めてユニークで知的なエンターテインメント作品です。
特筆すべきは、主人公・芽吹の脳内に擬人化された「バッドエンド」「ハッピーエンド」などのキャラクターが次々登場し、物語の結末をめぐって議論を繰り広げるメタ的展開。その掛け合いは軽妙でテンポが良く、笑いながらも「物語のリアリティとご都合主義」「人気と作家の信念」という創作者ならではの葛藤を描き出します。
さらに、物語内小説『酷薄な告白』が最後に予想を裏切る形で完成する構成は見事。読者はメタな笑いから一転して、切ない人間ドラマとミステリー要素に引き込まれ、ラストには深い余韻を残します。
笑いとシリアス、創作論とフィクションの融合、そのどれもがバランスよく配置された完成度の高い作品です。
まずは、志草さんが私と同じイケメン好きだということがわかった(笑)
小説投稿サイト「よみかき」に投稿している作品の続きをどうしようかと悩む主人公の話。
その作品は、ごく普通の高校生が、学校一のイケメンから告白されて付き合い始める話だが、自分で書いた展開の続きをどうするべきか悩むのである。
そこに現れたのが6人のイケメン。最初に出てくるイケメンと合わせると合計7人のイケメンが出てくる計算になる。それぞれのイケメンが勝手なことを宣って、続きの提案をしてくるのだ。
どんだけイケメン好きなんだ(笑)
だが、カクヨム ユーザーなら、この主人公の苦悩に共感できること間違いない。
『ある初心者作家の悲劇』を先に読むと、より楽しめる作品です。是非読んでみてください!
いやあ、悩んでいる時にこのような作品と出会えるのですから。だから人生は楽しいのでございますな。
本当にこの作家先生の発想力とワードセンスには肖りたいものでございます。
今回はメタっぽさを前面に押し出した作家のストーリーですが、
作家が心で用意してそうな言い訳、になりそうな言葉で本当に耳が痛いドキ! ギク!! ひいいやめて……となります。
あと、まあカク●ムのこととかね!
作家は清々しいまでにバッサリ切られて欲しいですな!
私はもちろん、やられてけちょんけちょんですが。
一方で読む専の方はこの物語をどう読むんだろう? そこにも興味があります。
ぜひ、ご一読を。
斬新すぎる設定と展開に、第一話から度胆を抜かれました。
物語は「とある青春恋愛ストーリー」のような雰囲気を持って始まります。
高校生の白河沙良が、学校の一のイケメンである赤山紅と付き合うことになるも、難病に冒されて余命いくばくもない状態になってしまう。
……と、いう物語と見せて、実はこれは「作中作」だということが間もなく判明します。
この小説の作者である青山芽吹は、「この物語の結末をどうするか」と悩むことに。
そんな彼女のもとに、「謎のイケメンたち」が突如姿を現します。
彼らの名前は「ハッピーエンド」や「バッドエンド」。その概念が具現化したイケメンたちは、「この先にどういう方向に持って行けばハッピーエンド(またはバッドエンド)になるかと芽吹に対して囁きかける。
だが、その内容の酷いこと酷いこと!
とんでもないご都合主義な設定が盛り込まれたり、本来の物語の雰囲気を間違いなくぶっ壊すような内容となったり。
それでも苦悩する芽吹は一瞬ふらりと「それもアリかな」と洗脳されそうになり、何度も首を振ることに。
そして、「エンディング」の在り方はハッピーとバッドの二種類には限られない。
その後も登場する様々な「各種のエンディング」が擬人化されたイケメンたち。世の中にはこんなに色んな種類のエンディングがあったんだな、と感じ入らされることになります。
とにかくもう、この発想にやられました。この斬新にして楽しすぎる物語を書いた作者さんを手放しで賞賛したくなる、多くの人にオススメしたい傑作です!