【妄想語り】陶芸家、鰐先生の傑作のツボ

kesuka_Yumeno

兄弟の記憶の交錯〜はんてん〜

こんにちは!

あなたは鰐先生の作品、みたことがある?

私は息子と最近、毎日見てる!

素晴らしすぎて涙腺緩みっぱなし。


今日はかの有名な息を吸って吐いて戦う、吐息が時に水に炎に風に音に、恋にまとわりつく蛇のように、固い岩のような意志いしに、蝶が飛ぶ、太陽と月もマジエモいあのシリーズの霧がすみについて語ろうか。


前作の手足が生えたキミ悪い魚の壺はみた?

あれ、本当に歪で、キッショいよね?


まさかさあ、その後に最高傑作のひとつ三重の壺、完全なる左右対象美、無いと思ったら有るどころか無限の壺を発表されるとは!?


幼さすら残る形に重厚な心情を乗せていて。

もう、最高!

てっきり、無いなと思ってたんだけど。

よ〜く目を凝らせば無いどころか、有るし、無限じゃん、この壺!

すごい造形。構造美の極み!!


てっきりね、無いのに頑張って有る意志を継いだ話かと思った。それだけでも十分エモい。

でもさ、あの演出、みた?

一人語りが、反転してる、前作だっけ?反転する鞍馬天狗の器もあるでしょ?

しかも、腕を負傷しながらの作品作り、なんという伏線!

杓子定規に囚われないで、って先生のお言葉、力強い包丁さばき!

何もできない弟となんでもできる兄のような器!

てっきり、弟が兄を継いだと思ってた!

でも、兄がショックで弟の魂を引き継いだフリしてるもありじゃない?

だって本当のことは誰にもわからない。

服と言う名の包み、布団と言う名前の置き場でしか判断つかないけど、最後、反対においたね、鰐先生!


たぶんね、2つの壺自身も霧がかって自分が兄か、弟か、忘れちゃったんじゃない?

これが3つ目の幻想の塗り。


ちょっと壺にインタビューしよっか。気になっちゃって。


「どうして、太陽を継いだのにあえて霞むの?」

「恋と炎を見ればわかるでしょ?使えないんじゃない、あえて使うんだ」

「つまり?」

「すべてを陽の光にさらしたら、3つの幻想は崩壊する。だから俺は霧がすむ」

「陽の光じゃないんだ?なんて言ったら、すみちゃんですら、鳥につつかれますね?よくわかりました」


なるほどね!素晴らしい。

兄のような強い目、弟のような澄んだ瞳、病んでぶっ壊れた毒のある笑顔!全てがひとつの壺に!!


いやあ、ワニ先生、いいもの見ました!

壺だけに、私、ババアのドツボ!!

次回作も期待してます!

大好きです!!



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鰐先生は壺だけじゃない、アクセサリーも作るんですって?

涙のかたちをした──真珠の種。


【詩】『煉獄の牢〜真珠の種〜』

https://kakuyomu.jp/works/16818622177376731461/episodes/16818792436094372333

※このリンクは7月18日 に壺の奥から“開封”されました

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