『指を賭けたじゃんけん』という極限の単純ルールが、人の心の温度差と嘘の重さをむき出しにする快作でした。無機質な部屋、プレゼン調で淡々と進行するミスターX、手の選択制限や賞金テーブルが読み手の計算まで巻き込み、ページをめくらせます。とりわけ印象的だったのは2場面。第2話、青井カイが「パーを出す」と公言し、本当にパーで取りにいって3000万円の『獲得権利』を得る一手。守りのグーに固まる赤川と黄澤の『恐れ』を利用して、宣言そのものを支配力に変える瞬間のゾクリとした説得力が見事です。もう一つは第6〜7話、公園での呼び出しと「助けて!」の一声で元教師・黄澤が容疑者へと転落する経緯。USBの告発、交番の位置まで織り込んだ罠、そして不起訴でも家族が崩れていく静かな地獄——事件の『手口』ではなく『余波』を正面から描くことで、ゲーム外の人生がより重く響きました。宣言も沈黙も挑発も、すべてが『武器』になる世界。ルールはシンプルなのに、出す手がこれほど重くなるとは。次の一手に賭ける彼らの理由が明かされるほど、読者のこちらも何を差し出すのかを問われます。引き続き、全力で応援します。
「ゆびきりげんまん、うそついたら、針千本のます」という有名な歌がありますが、こちらの指切り言万ゲーム、怖すぎます。
まずは、ルールをお読みください。
指に大金がかかっています。すごい金額です。
でも、私だったら無理! びびりなので想像するだけで、卒倒しそうです。
ルールはシンプル。ジャンケンをすればいいのです。
彼らは大金が欲しい切実な思いがありますが、油断できない状況がずっと続いていき、とにかく怖い。ハラハラするのに、読むのをやめられない。
最後はどうなるのでしょうか。
人って怖い生き物なんだなあと思いますが、彼らは悪人ではないのです。
人間の欲望を描いたスリル満点の作品です。
ぜひ、オススメします。