滴る

沙華やや子

滴る

『 YourMe 』


ねむい・・・


夢であのひとに 逢いたい気もするけれど


お仕事がんばっている あのひとと同じよう起きときたい


そんなことしたってなにも・・・


でも 夢で逢うより

夢を叶えたいあのひと 応援したいから

ぼんやりしつつ お祈りしてるの


『 水 』


紫陽花が渇いて あたしは要らない子なの?と泣いていた


あたしはガムを噛みながら 通り過ぎたんだけど


とても他人とはおもえない

振り返って 子どもの時を振り向いて

紫陽花をにらみつけた


泣くな!おまえにはあたしが居るからと


紫陽花は安心して枯れた


『 贈り物 』


あたしの桜貝の首飾り

失くしたから

もう一度

プレゼントして


知らぬ間に消えたから

あたしをその腕で女の子にして


あなたはあたしのパパだし あたしのボーイフレンド

甘えて良いでしょう?


あたしはこうしてあげる・・・おっきな貝殻をあなたの耳に あてるの

あなたののどを撫でてあげる


ふたりはキャラメルのおまけのお家に棲んでいると 人が笑ったけど

気にしない

あなたが居るからこの家はどこに居ても波の音がするのよ

他の人には聞こえないから笑われた

あたし達 平気なの

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

滴る 沙華やや子 @shaka_yayako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説