ねえ、ほんとはー。

どっち？

大好きな人には好きな人がいて。

その子の方が可愛くて

背が低くて

愛嬌があって

そんなの負け確じゃんか。

でも私だってあの子より

字や絵は上手いし

運動や勉強はできるし

何より恋に一生懸命なのに

私のどこがダメだったかな。

でも私にはダメなとこしかないよね。

どんなに努力しても変わらない。あの子は何もしなくても好かれるのはなんで？

理不尽なのが恋なんだよね、きっと。

そんな言い訳を考えてる時点で器、とかで負けてるんだよ、きっと。

あの子にあって

私にないもの

そんなの数えきれないほどにあるけど

私にあって

あの子にないもの

そんなの数えてる暇もないくらいだけど

どうせ振るなら

もとから好きにさせないでよ

悪いのはそっちじゃん。

どうせ振るなら

目が合った時に笑いかけないでよ

また好きになっちゃったじゃん。

2月の悪夢を引きずる3月

同情しなくていいのにって思う。

また好きにさせたいのかって思うんだけど。

クラスが離れる4月

廊下ですれ違うたびに目を逸らしあう。

通り過ぎた後に

振り向いて彼の姿をみる。

未練なんてないはずの5月。

なんで連絡返してくれるの。

期待させないでよ。辛いじゃんか。

この恋は終わらない。私が終わらせてくれない。世界が花びらのように散ってしまっても私の恋は咲き続ける。

あの子は彼のことが好きなのか。

一度振ったくせに思わせぶりに仲良くする。

もう好きじゃん、それ。両思いじゃん。

わざわざ彼のメガネ姿がかっこいいだなんて、私に言ったのはどうして？

知らないし、そんなこと。メガネかけてても

かけてなくてもかっこいいし。

“もうあの子と彼が喋る姿をみてもなんとも思わないよ”

相談に乗ってくれた親友にそう告げる。

でもそう思いたかっただけでさ、まだ好きなんだろうね。

そう思いたい。

彼のことなんかもう興味ない。

もう知らない。

彼のことなんかすでに大嫌い。

そう自分を鎖で縛り付ける。

ねえ、ほんとはどっちなの？