視える(見える)ものを描いている連作短歌。鮮やかな視点で切り取られた美しい色の歌、自らの凡庸さをかみしめることができるきわめて日常的な歌の緩急が面白い。失うことによって、色、光、あるいは世界というのは脳で再構成したものを見ているにすぎないことが自覚され、それでもなお「みる」ことの力強さを感じられる。
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