観覧車
Rie
― 最上点のキス ―
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ふたりで乗るには
少し せまいですね
窓を打つ雨の音が
わたしの鼓動と よく似ていました
もう戻れないと
わかっていながら 鍵をかけるように
あなたの指が わたしを
そっと 沈めていきます
回るたびに 地上が遠のいて
誰の声も届かない 空の中
— まるで夢みたいだね
あなたは 深くキスをしました
どうか 止まらないで
もう降りなくてもいいと 願ってしまうのです
あなたに触れているこの時間だけが
わたしを 生かしてくれる気がするから
“最上の恋は地上に還らない”
― 観覧車の最上点 —
さよならの高さで微笑んで
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観覧車 Rie @riyeandtea
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