第10話


田口家康は大月優李の家に向かっていた




オラコーロから預かった剣を渡すためである




もうすぐ優李の家に着くという頃




家康の前に




翼をはやしたゴリラの様な生き物が現れた




家康は剣を大きくして構えた




その時




近くを一人の男子高校生が通りかかった




男子高校生は生き物を見て恐怖で固まった




生き物はその男子高校生に近づき




片腕を掴んだ




そしてしゃべった




「田口家康、剣を捨てろ、さもないとこいつを殺す」




家康は少し迷ったが剣を放り投げた




「ハハハ馬鹿め」




生き物は家康に近づいた




家康は優李に渡すはずだった剣を取り出した




そして大きくなるように念じた




剣は家康の手の中で大きくなった




生き物は家康を殴りつけた




家康は剣で防いだが後ろに飛ばされた




生き物は家康に近づきパンチを連打した




家康が剣で防いでもお構いなしだ




家康は仰向けに倒れた




生き物は家康に馬乗りになった




滅茶苦茶重い




生き物が牙の生えた口をくわっと開いた




家康に生臭い息がかかった




ここで死ぬのか




家康は夢のような気分で考えた




その時




ドスッと言う音がした




生き物が悲鳴を上げて転げまわった




見ると男子高校生が剣を持って立っていた




生き物はよたよたと立ち去った




「ありがとう」




家康は立ち上がった




「こちらこそ」




男子高校生は言った




「剣を返してくれないか」




と家康は言った




「いやだ」




と男子高校生は言った




「えっ」




と家康




男子高校生は剣を持ったまま走り去った




家康は仕方なく優李の家に行かずに帰った






次の日




家康は神山の家に行った




神山の家にはオラコーロもいた




「優李に剣は渡せましたか」




とオラコーロが聞いた




「実は、剣を高校生に取られちゃって」




と家康は言った




「え、本当ですか」




とオラコーロは言った




「はい」




と家康




「剣をもう一本下さい」




と家康は言った




「あの剣は特別で、もう一本は持ってないです」




とオラコーロは言った




「剣を奪った高校生は誰ですか?あの剣を持ったものは強大な力を手に入れます」




とオラコーロは聞いた




「知らない男子高校生です」




と家康は言った




「でも同じ学校です、制服が同じでした、その高校生を助けたのですが、剣を持ったまま行ってしまって」




と家康は言った




「そうだったんですね」




とオラコーロは言った




「仕方ないです、では大月優李にはこのペンダントを渡してください」




そう言ってオラコーロは紫色の宝石のついたペンダントを取り出した




「ありがとうございます、今度は失敗しません」




と家康は言った






その日の夕方




家康は再び大月優李の家に向かった




優李の家は




小さな二階建ての家だった




家康がブザーを鳴らすと優李が出てきた




「こんにちは」




と家康




「何?どうしたの?」




と優李は言った




家康は今までの事をどう説明しようか迷った




「危機が迫っていて」




と家康は言った




「何の危機?」




と優李




「話せば長くなるんだけど」




と家康




「ごめんなさい、あんまり時間ないんだけど」




と優李




「じゃあ、とりあえず、これをお守りにして」




そう言って家康は紫色の宝石のついたペンダントを取り出した




優李は驚いた




「これを持っていて、何かあったらこれに念じるんだ、僕も使い方は知らないんだけど」




と家康は言った




優李は困惑しているようだった




「信じてくれ、危機が迫っているんだ」




家康は優李の手に無理やりペンダントを握らせた




優李は首をかしげながら




「何か分からないけど、ありがとう」




と言った




「じゃあ、また」




そう言って家康は優李と別れた






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田口家康の冒険…敵は強大だ! 陶山雅司 @5229357865426789

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