第3話:ホームレスの一派

【獣使い族】

 野良犬や野良猫、土鳩、ハシブトガラス、溝鼠、蜚蠊といった都会に住まう生物を飼育し、操る術を持つホームレスの一派。

 扱う生物ごとに流派が分かれ、住む場所や掟がそれぞれ個性がある。

 例えば、土鳩使いの一族は公園に住み、毎朝、毎昼、毎夕、餌をあげなければならない掟があり、

 溝鼠使いの一族は下水道に住み、溝鼠の力を借り、一日一回は空き巣をする掟がある。


【ガテン・スパルタ】

 工事業務の日雇いで生計を立て、ガテン系のプロフェッショナルとして、筋骨隆々なホームレスの一派。

 工事ヘルメットを被り、マンホールの盾と道路交通標識の槍を装備し、ファランクスを組む。


【ネットカフェザナドゥ党】

 冒険者ワーカーとしての稼ぎをネットカフェに注ぎ込む若者のホームレスの一派。

 家出した者やニートのまま追い出された者が多く、若者ながら互いのコミュニケーションが強い。

 捨てられた雑誌や漫画を集めて、自作の漫画屋を作る者もいる。


【我楽多工房】

 ジャンクヤードや廃墟などに住み、ガラクタを使って物作りをするホームレスの一派。

 空き缶で刀を作ったり、段ボールハウスで一階建の一軒家を作ったり、ゴミを使って、音楽活動や芸術活動を行う人もいる。


【サバイバービストロ】

 コンビニや飲食店で捨てられた廃棄食料や野草、茸、都会の生き物を食材に調理し、流浪して、道行く人に振る舞うホームレスの一派。

 調理技術は一級品で、元三つ星レストランやホテルのシェフが少なからず所属している。


【アーバンウォリアーズ】

 素手喧嘩ステゴロを極めたストリートファイターが集まり、縄張り争いを繰り返す血気盛んなホームレスの一派。

 家に居られなくなった不良や元格闘家が所属している。


【ストレイカルテ】

 表社会の権威を失った闇医者が集い、病院を設立したホームレスの一派。

 何かを引き換えに法外で、高度な手術を施したり、野草や茸を薬にしたりする。

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現代ダンジョン設定辞典 @kandoukei

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