【35話】まだやるべきことがある


 ゼファーを操っていたバルロスはこれで死んだ。

 

 でも、まだだ。

 アンジェにはまだやるべきことがある。殺さないといけない相手がいる。


「私はこれからベスパー帝国に行くけど、ゼファーも一緒に来る?」


 バルロスがセイリオ王国を滅ぼそうとしたのは、皇帝の命令があったからだ。

 つまりベスパー帝国の皇帝が、すべての元凶ということになる。


 であれば当然、殺さなければならない。

 相手が誰だろうと関係ない。落とし前はキッチリつけさせる。

 

「無論だ」


 ゼファーはゆっくりと頷いた。


「アンジェ殿は我の恩人。あなたが行くところに、我はどこまでもついていこう」

「ありがとう。じゃ決定ね」


 ゼファーの翼がはためく。

 アンジェを乗せた虹色の竜は、大空をかけていった。

 

******


 それから一週間後。

 

 ベスパー帝国は滅亡した。

 何者かによる襲撃があり、皇帝とその関係者が皆殺しにあった。

 

 風の噂では、虹色の竜とキツネの面をつけた少女が襲撃犯とされているが確実ではない。

 なにしろ目撃者は全員殺されてしまっているために、特定ができないのだ。

 

 真実は闇の中だった。

 



 アンジェは今も、以前と変わらぬ日々を過ごしていた。

 普段はシスター、それ以外は冒険者を行っている。

 

 ちなみに、ゼファーはアンジェのペットになった。

 冒険者の依頼をこなすときは一緒についてきて、手伝ってくれている。

 

 リラはゼファーに嫉妬心をむき出しにしていた。

 そんなところがまた、かわいくもある。

 

 アンジェの毎日はなんだかんだで充実していた。

 今の楽しい日々がこれからも続けばいいと思っている。

 

 

「すみません。相談したいことがあるのですが」

 

 街はずれにある小さな教会に、迷える子羊がやってきた。

 

「どういったお悩みですか?」

 

 迷える子羊を導くため、アンジェは今日も的確なアドバイスを下していく。

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清楚で可憐な美少女シスターの裏の顔は、王国最強(最狂)のSSランク冒険者~立ちはだかる邪魔なものは、チート能力で全部ぶっ潰していきます~ 夏芽空 @7natsume23

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