orphans

orphans（十首）

雪の降る海がふたりの十代の最後の景色……ならよかったのに……

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君が身を引いた軌跡が流星の尾のように燃え、だから、祈った

話せないことがなかった僕たちが言葉にしていた痛みの、毒の、

<誰が僕たちの代わりに生きられる？>　みたいなクイズが深夜に居間で

お互いに値引きのシールを張り合って僕らは夜のみなしごだった

君の恋人がタルトにゆっくりと天罰のように銀のフォークを

失恋の痛みじゃないと癒せない廃業間際の天使のために

もっと、こう、逃避行みたいなニュアンスで、君と近所の川を見に行く

十代の僕が僕らを試すだろう淡い光のゲートの前で

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お互いの岬じゃなくて僕たちは帆に受ける風、留まる錨