雨降り町でご飯を 4
買い物を終えて、ゾロの家に帰宅。
「レインコート、玄関で水切りしてから入れろよ」
「はー……あ、ありがと」
傘を片付けると、ゾロはエリスが持っていたレジ袋を奪い取って中に引っ込んでしまった。手早くレインコートをはたき、玄関付近にあるハンガーに掛けると、エリスも彼の後を追い掛けた。
──自由に屋上に出入りできる十階建ての
その九階を、ワンフロア丸々、壁をぶち抜いてゾロは住まいとしている。
『本当は十階に住みたかったんだがな……取られた』
エリスがここに連れてこられた初日に、そんな話をされたが、エリスとしては十階だろうが九階だろうがどうでもいい。
あの家の外にいられるのなら、それでいいのだ。
「手洗いうがいは?」
「しましたー」
ダイニングスペースに置いてある、六人掛けのダイニングテーブルの上には、レジ袋の中身が隙間なく並べられていた。
「……眼福っ!」
見ているだけでエリスの瞳は輝き、口内に唾液が溜まっていく。
雨降り町の物語 黒本聖南 @black_book
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