灰色の景色だった私の世界に光がさす
私が務めている喫茶店の
OPEN時間は6時と早い。
私は平日は7時出勤で土日は6時半の
週5ではいっている。
職場は自宅から自転車で15分くらいの距離だ。
いつも半分くらいの所まで行くと急に恐怖心に駆られていた。
自分に負ける訳にはいかない気持ちが勝ち
私は今日も仕事をこなす。
段々と感覚が戻っていく私は
職場に着けば寝不足だろうと4時間の勤務をこなせるようになっていった。
仕事をしている時の自分だけは好きだった。
まるで「別人」になれた気がしたからだ。
私は「明るく愛嬌のいい人懐っこい元気な店員」をしていた。
ある日、常連さんが私を見るや否や、驚いた顔をする。
「あれ?そうやんな?戻ってきたん!?
また宜しくなぁ」
そう喜んでくれる声が多く、
私はここに居ていいんだと嬉しかった。
そして皆が驚くのも無理は無い。私は薬の副作用で寝る前に夜中にしかお腹が空かなくてその時間に食事をすることが多く以前とはかなり体型が変化している。
(手でおめでた!?みたいな事をよくされていた)
今では笑い話だ。
内心は(黙れクソ野郎などと思ってたのは秘密。)
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仕事を終え、家に着くと
ドッと疲れがでる。
家では基本
洗濯物を畳んだり、ゴミ集めをして捨てに行く
食器を洗う。母と買いだしにいく。
これくらいしかしていない。
(今は一人で近くなら買い物にいけたり、彼氏が住んでいる場所まで一人で電車に乗れたり、包丁をにぎれるようになった。3年たってこれくらいの進み具合に呆れる時もあるが凄いと思う。彼氏の支えに感謝だ。)
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話を戻すが
そんな日々が2年程くりかえす。
この時期は私が実家に帰れるきっかけを作ってくれた元先輩と2年交際をしていた。
”友達以上恋人未満”
私の病気が原因で最後はそんな関係になり別れることになる。
私は思い込みの状況ができあがると底が見えないほどにまで落ちる事が日常だった。
読み手がしんどくなるかもしれないからあまり鮮明な事は伏せるが大まかに言えば
大きな声・怒声・正論 これらがトラウマで苦手だ。
私は真っ暗な道を1人
手探りでひたすら歩いていた。
”光”を求めて…。
いつまで続くんだろう。
いつまで歩けばいいのだろう。
いつまで頑張り続ければ報われるのだろうか。
誰でもいい、私を見つけてほしい。
私の苦しみを理解して欲しい。
助けて…。
別れたあとは苦しい感情を濁してくれる相手がいなくなったせいか、私の症状はまた悪化していく。
薬が増え続ける。
医者からは「日にち薬やね」
何を話してもそう言われるだけの日々が続く。
私はまた自問自答する。そもそも本当にうつ病なのか?
まだ私は自分がうつ病だと飲み込めていなかったのだ。
何故薬は効果を発揮しないのか。
不思議だった。
たった4時間の仕事もしんどくなっていき
体調が崩れていく私をみたマスターの判断で
4時間から3時間勤務に変わった。
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ある日、私は眠れなくて
暇つぶしに始めたSNSで今の彼氏と出会う。
彼との内容は省略する。
最初の記憶が覚えていないことが多いからだ。
毎日ビデオ通話をしていた時のこと。
私は人格が入れ替わるかのような変化を見せ始めていた。当然その時の記憶は無いので聞いた話である。
彼と過ごす中で自分に異変が起き始めていた。
私は長年、人格否定をされていた為
自分の考えというものがなかった。
考えることすら許されなかった日常があの地獄のような3年間にあったからだ。
彼は必死に私の中にいる私に声をかけ続ける。
「asuはどうしたいの?」と。
そんな日々が付き合ってから何日か経った頃だ。あまり鮮明ではないのは許してほしい。
私は彼と自分について語ることが増えた。
”あれはだれなのか”と私は彼に尋ねる。
信じれないかもしれないが
私は自分の中に
”2人の自分が存在”
している感覚を覚えはじめた。
そんな日々が続き、私は病院に行き
先生に質問をする。
「私は二重人格なのでしょうか?」
そう質問する私に先生は目を見開き答えた。
「違うよ。やっと気付いてくれたか。あなたはマインドコントロール状態だったんだよ。何処から手を付けていいか分からない程に。だから何を言ってもそういう風に自分を持って行って人格を作ってしまう。だから何も言えなかった。」
「自分で気が付いてくれないとダメだったから。二重人格だと感じたのは押さえ込んできた感情が別々に出てきたからだろうね。だからもう大丈夫。やっと抜け出せれたね。」
「ここからがやっと貴方の治療の開始だ」
私はその答えに納得した。
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それからは今まで効果がなかった薬が
効くようになった。
仕事も3時間だが、自分を偽ることなく休まずに働けている。マスターの配慮で早上がりも多いが小さな目標を彼氏と立てて
今出来ることを一生懸命に続けている。
そして気になってる人が居ないかもしれないが
最初に濁していた”問題”について軽く説明をしておこうと思う。
私はあのDV男と生活をしていた時に
あの男のせいでブラックリスト入りしたのだ。
それももうすぐ終わりを迎える。
一人でよく頑張ったと褒めてあげたい。
私の中でいい方へ変化が少しづつ起きていく。
よく見ていた悪夢の続きに終わりがあったり。
最近は悪夢すらみなくなったのだ。
薬が減ったり増えたりしているが
自分に合う薬が見つかり、気持ちも安定してきている。
調子を崩してまた眠れない日が今も続いているが
今は1人じゃない。私の理解者(現在の彼氏)がいる。
私は自分の未来のビションが彼とならみえている。
この先どうなるかは分からない。苦しい事もあるかもしれない。
転んだり、立ち上がったりを繰り返すだろう。
それでも「貴方の病気は絶対に治る」
その言葉を信じ、彼氏と自分を信じてこれからも病気と向き合いながら
私は生き続ける―――。
そして探し続けていた私の”光”
それは今の彼氏だ。
灰色になった景色 asu @asu_00910
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