七月七日さんの傑作、「16回生きた女」の続編です。
前日譚は、主人公の美琴が、フンコロガシ、カモノハシ、ハエトリグサ、チンアナゴなど、さまざまな動植物に転生して、その生を全うするお話でした(あ、市松人形もいましたw)。
最後にようやく人間に転生したと思ったら、飛行機落ちてお陀仏。なんちゅうラストなんだ、と思っていたら、こんな豪華な続編が!
美琴が異世界転生したミコが、イケメン男爵と一緒に逃避行! その道中ピンチに陥るたびに、あの頃の仲間が!
14話でピッタリ1万字。行きつく間もないアクションの連続!
最後はハピエンでめでたしめでたし。
お昼休みにアハハと読むのに最適な娯楽小説です。
これ、良作です。お勧めです。
妙な動植物として16回もの転生を繰り返してきた美琴は、ようやく人間に転生するものの、事故で亡くなってしまう。
そして、ミコとして異世界に転生。新たな人生が始まるのだが、そこには劣悪な家庭環境が待っており、レ・ミゼのコゼットのような扱いを受ける。
ある日、養父に襲われ、あわやというところで窓から助けに来た者が!
その者は、前世にゆかりあるもので――。
『十六回生きた女』の続編にあたる本作は、前作の小気味よいテンポを引き継ぎつつ、異世界という設定を存分に生かしたコメディ×ファンタジーな物語となっております。
登場する(助けにくる)者たちは、前作に縁のあるものばかり。
本作を拝読しながら、「どんなに気色悪い生き物(ミミズ、シデムシ等々)になっても、その一生をきちんと生きた美琴だからこそ、こうして仲間たちが助けにきたに違いない!」と感じました!
言い換えれば、この物語は作者様の生き物への深い理解と愛情によって生まれたファンタジーなのだと思います。
是非ともご一読ください!
序盤からとにかく想像力を刺激されまくって、色々なイメージで頭がいっぱいになる作品です。
現世での命を終え、異世界に転生してしまった美琴。彼女はミコという名前で生活していたが、そこの暮らしは不遇なものだった。
しかし、彼女にはある特性があった。美琴という人間に生まれ変わる前、彼女は十五種類もの様々な動物・昆虫・植物(それと怪異)に転生していた経験・記憶があったのだった。
そんな彼女の持つ数奇な経験は、異世界でもいかんなく発揮される。
なんと、彼女の前世とゆかりのある『動物たち』が何かと力を貸し、成り上がるために協力してくれるという。
だが、忘れてはならない! そこが異世界であることを!
もちろん、そこに住んでいる動物たちも『異世界仕様』となっています。つまり、『モンスター』であるということ。
『フンコロガシ』、『カモノハシ』、『チンアナゴ』、『ショクダイオオコンニャク』、『シデムシ』、『アルマジロ』、『ハリガネムシ』、『コウモリ』、『ハエトリグサ』、『市松人形』
それが異世界において、一体どんな姿で、どんな活躍を見せてくれるのか。
『フンコロガシ』に関しては、『ホロウナイト』とかにフンコロ騎士なんてのが出てきたような記憶があるし、コウモリは某『悪魔城』でベルモント一族がしょっちゅう鞭でぶったたいてた奴らがいたな、とか様々な記憶が刺激されました。
ハリガネムシとかどんななんだろう。どういう邪悪な存在になってしまうんだろう。オオコンニャクは? いや、市松人形とかは一体……。
考え出すともう、楽しいこと楽しいこと。
これから何を見せてくれるのか。もう目が離せません!!