1章 勇者が生まれた日
第1話 勇者たちの宴 (???視点)
レモリア大陸グリンバニア王国ライフェン市。伝説の勇者の名を冠するこの市の執務室。そこに私は居た。
「今月の収益は?」私の右隣に座るSランク序列8位、金への意地汚さから《金の勇者》と呼ばれるジュリアン・グロスティスが言った。
「1億2000万ベルガドです、ジュリアン卿。あと、横領は辞めてください」その向かいに座っていた女性が言う。彼女は序列6位、《冷徹歌姫》と呼ばれるフロレンス・ライラリアである。
「そうですよジュリアン卿。それは皆のお金ですから。あと、あなたは粗暴すぎる。少し直したらどうです?」温厚な口調でふざけたことを抜かすこの男は序列第7位、《仲裁者》のレオナルド・テレンス。お前が一番悪辣なことをやっているくせに何を言っているのだろうか。私はコイツが一番気に食わない。
「言い合っているところ悪いが、5傑の到着のようだ。」私の左隣に座る序列第10位、《破戒勇者》アダルベルト・ユースクリフが言った。
「待たせたな。始めるとしよう。」どうやら来たようだ。ジュリアンの右隣に座ったのは序列第5位、《知恵袋》ニューズ・シューマッハ。その隣には序列第4位、《協会の闇》ガルブレイス。そしてその向かいには序列第3位、《聖女》のルミーア・エレオノラ。アダルベルトの左隣には序列第2位、副理事長の《廃剣》アドラニア・ランベルツが座った。彼らはいずれも一騎当千の猛者揃い。性格に多々問題はあるが、それを指摘しようものなら、私…序列第9位、《自然の覇者》バランドール・ベルクマン如きはすぐに殺されてしまうことだろう。
「さあ、今日の宴の時間だ。」序列第1位、《滅国剣士》のベロ・クロセティが言い、悪趣味な宴が今日も始まる。
勇者協会 以織(いおり) @iori0622
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