2日
声兎
2日
金曜日の夜
僕が一番キライな時間
ホームに電車が到着した
少しでも一緒にいたくていつもより強く抱きしめる
彼女が電車に乗ると
無情にもドアが閉まる
ドア越しにいる彼女
電車はホームを離れていく
それを僕はただ見送る
寂しさを置いて
たった2日
僕たちの距離は物理的に離れる
たった2日会えないだけで
こんなにも苦しいんだ
いつも近くにいるせいで気づけない彼女の存在
離れれば離れるほど強く重く心にのしかかる
静かで時にはうるさく鳴り響く君への想い
彼女からのLINEを待ち望む
けど耐えきれなくなって
他愛もない内容のLINEを送る
彼女の甘い声が聞きたくて
彼女に会いたくて
何を話そうか迷って
その思いをボイスメッセージに乗せる
この2日間がやけに長く感じる
土曜日が一番つらい
付き合う前は楽しかったはずなのに
大切な人に会えないだけでこんなにも辛いんだ
日曜日いつもより遅く起きて
彼女から送られてきたボイスメッセージを聴いて
朝食を食べる
寝起きの声が一番好き
みんなは日曜日が終わる憂鬱感に苛まれるが
僕は違う
彼女への張り裂けそうな想いを胸に
月曜日が早く来ないかを待ち望む
─完─
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