もしも会えなくなったら

一ノ瀬 夜月

突如浮かんだ不安

 久しぶりに会った。およそ半年ぶりだった。


 前に会った時よりも元気がない。足取りもゆったりとしている。


 俊敏に動く余裕はないようで、一箇所に留まり続ける。そして、留まった場所で昼寝を始めた。


 寝息が不規則で心配だったけれど、最近はいつもこんな感じだと聞いたので、起こそうとはせず、そっと頭を撫でる。


 一回や二回じゃ足りない気がして、何度も撫でた。短めでサラッとした毛並みが気持ち良い。


 君に触りながら、ふと思った。あと何回、触れ合える機会があるのだろう......っと。


 私と君が初めて出会ってから、約一五年が経った。そろそろ、頃合いかもしれない。


 いつもあの家に君がいることが当たり前だったから、会えなくなった時のことなんて、想像出来ないし、したこともない。


 でも、もしもその時が来てしまったら、私は一体、どんな想いを抱くのだろう?


                終わり?


※何に関して書いたのかは、あえて言いません。皆様のご想像にお任せします。もしかしたら、数年後に続編を書くかもしれません。

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もしも会えなくなったら 一ノ瀬 夜月 @itinose-yozuki

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