〜異-異〜 エルフと人間

@varlly

第1話

 村一つ分に切り開かれたちらほらと芝生の生えた大地に木製の建物が幾つか建っており、そのほとんどが民家のような1戸建てで占めていてあとは横に長い倉庫のようなものが3つほどある…彼女達の住処はそんな場所だった。


「エルフ達はこんな簡素な場所で暮らしていたのか…。」そう心の中で呟く。


全ての種族の頂点に立ち、他種族を蹂躙し続けていたエルフのいるその場所を見て、拍子抜けしたと同時にゾッとする感覚が走った。


この場所には柵も高台も無い、それが過去にあった形跡もないということはこれまではそれすらも必要ないほどに彼女達と我々との戦力差は圧倒的であったことを表している。


つい最近までずっとその戦力差がついていた種族との平和条約など本当に信用に足りるのか、この場所に来てその思いは益々強くなる一方だ。


国王による宣誓の言葉も今はほとんど頭に入ってこない、俺の中にあるのは誰が俺の…「旦那様」になるのかということで頭がいっぱいだった。


エルフは他種族との子供を作る際、その種族の性別が男女どちらでも妊娠させることができる。

そして、どちらを妊娠させるかはその種付けするエルフ自身の性癖によるのだそうだ。


今回エルフに引き渡す5人のうち3人は女性、2人は男性。


そのうちの1人が俺になる。


先ほどから俺たちのことを品定めするかのように代表となるエルフの長らしき人物の後ろにいる10数人のエルフ達が下卑たニヤケ顔で視線を向けている。

どんな会話をしているかなんて想像したくもない。


一方、引き渡される側の俺たちは向こうとは違い重苦しい空気に包まれていた。

定期的に帰ることが出来るとはいえ、俺たちはこれから長い間ここに居続けることとなる。

中には今後のことを憂いて泣いている者もいる。


•••



互いの宣誓が終わり、いよいよ俺たちが引き渡される儀式の時が来た。


と、その前にエルフ側に捕まっていた人たちが先にこちらへと渡された。


当然だが、エルフ達から解放されていくその人たちは皆重く暗い顔をした人たちばかりで喜びを表している者は誰もいなかった。


エルフとの子供を産むことはこの世界では重罪なのだ。例えそれがエルフ達に強制されたことであったとしても。


エルフから停戦協定を持ちかけられてからまだ1ヶ月も経っていないため法整備はまだ現在の状況に対応したものに整っていない。


身も心もボロボロになりながらもようやくエルフ達から解放された彼らだが、その直後に今度は人の世界から人類の裏切り者として糾弾される日々を過ごさなくてはならないのだ。


•••


それから程なくして彼らの解放が終わった。と言ってもこちらに引き渡された人数は10人にも満たなかった。


他種族の子供に限らず、出産による母体への負担は大きい。


さらにエルフにとって彼らは他種族であり敵でもある。それ故に彼らは奴隷のような扱いを受けており、まともな生活や病気などを患った際の治療などは受けさせてはもらえていなかったそうだ。

そんな背景もあり、エルフに捕えられた者達の多くは既に死亡しておりこちらに返還される人の数は少ないだろうと予想はされていたが…。


去年確認が取れたものだけで2000人近くの人間がこの村のエルフに攫われたという報告が上がっていた。


それに対して返還されたのがこの人数。

少な過ぎた。


一応事前に伝えられていたことの一つに、妊娠中の人間は主さんを終えてから解放するという条件はあったがそれでも少ない。


「ということは多くの人たちはもう…」


一体どんなぞんざいな扱いをすればこのペースで人が死ぬことになるのか。


「少し前までこれを当たり前のこととしてやってきた奴らと共生、ほんとに出来るのか?…」

もう一度そんな考えが頭をよぎりながら、俺たちはこれから長い時間を共にすることになる、目の前のエルフ達に向かって歩みを始めた。


俺たち5人はそれぞれ2〜3人ほどのエルフと共同生活を送ることになる。

長ければ生涯、短くても数年は彼女達と共に過ごさなければならない。

「エルフの容姿は人間より優れてる点は、これから同棲するにおいての唯一の救いか…」


そんなことを考えてると、2人組のエルフがこちらへと近づいてきた。


「あなたが私たちの要望した人間さんみたいですね」

「うん…まぁ、悪くはないですね。私たち程ではないにしろ、ある程度私たちのリクエストに沿いつつ整った容姿をされていますし。」

「事前に私たちの人間さんの好みをお伝えしてて正解でしたね、ヘイラ」


若干こちらを毒づきながら俺に話しかけてきたのは、それは恐ろしいさすら覚えるほど容姿の整った2人のエルフだった。


1人は丸顔が特徴的なまるで目尻のくっきりとしたタレ目のエルフ。その顔はそれぞれのパーツの全ての配置が整っており、その肌はシミやできものは一つもなくまるで人間の10代の様なハリのありと透明感が備わっている。

さらに目を引くのはその豊満な胸、くびれた腰に大きな臀部と全ての要素が男を虜にするためにある、そう感じさせるほどに彼女の全てが魅力的に感じた。


もう1人の方は小顔が特徴的な吊り目のエルフだ。

眉と目はまるで精巧に作られた人形として彫られたかのような綺麗な形をしており、筋の通った高い鼻や薄く血色の良い艶のある唇。

目を合わせるだけでこちらの心臓が鼓動を強めてしまう、それほどまでに彼女は美しい顔立ちをしていた。

さらに、サラサラの髪やキュッとくびれた腰、形の崩れていない胸元や透けて見えそうなほど透明感のある白い肌、まるで全ての女性が目指す理想の容姿ととさえ思えるほどに彼女のプロポーションの全てが完璧だった。


「さぁ、行きましょうか」そう言うとヘイラと呼ばれていた吊り目のエルフは半ば強引に俺の手を握り込んできた。

「柔らかい、それに絹みたいにスベスベだ」

あまりの心地よさに俺はそれを拒否できず、彼女達に手を引かれるがまま俺はエルフの村へと入った。


他の者たちも特に異常はなく、俺を含む5人はエルフ達に引き渡された後平和条約の儀を終え、両陣営は解散となった。国王軍は王都へと、エルフ達は自分の住処へと、皆それぞれその場を離れ始める。


突然グイッ‼︎と俺の体が引っ張られた。

エルフ達が俺の手を無理やり引いて移動し始めたのだ。

突拍子もない出来事に一瞬混乱してしまったが、「おい、離せよ。どこに連れて行くつもりだ」

とエルフ達に対し問いただした。

しかしエルフ達からの返答なかった。それどころかこちらを振り返る気すらないという感じだ。

振り解こうにも、魔法によるものか不自然なほどガッチリと手が握られており、それは出来そうにない。


気がつくと、俺は2人の家と思われる木造の二階建ての建造物の前にいた。


エルフ達は扉を開いてベットの前へ行くと、そのままヘイナは俺をベットの上へと押し倒した。

ドサッと柔らかい感触が背中に伝わり、倒れる衝撃で俺の体が跳ねる。

その上にヘイナが俺の体へ倒れ込んでくる。

そして、彼女達は熱い吐息をハァハァと漏らしこちらを獲物を狙う様な目でジッとこちらを覗いていたのを俺はこの時初めて気付いた。


「無視を続けてごめんなさいね人間さん。ここ最近までわたしたちずっと性欲を発散できずにいたので、もう限界だったんです。」


「停戦協定が結ばれることが決まった際、私たちの飼っていた奴隷の人間さんはまだ妊娠していない状態だったので、優先的にそちらへ返還されることになってしまったのです。」


「可能な限り無傷での返還を求められていため、私たちはそれからその奴隷と遊ぶことを禁じられてしまいました。なので、今日までずっと私たちは我慢を強いられていたのです。そんな時にあなたの様な初々しくて可愛い顔を見てしまうと、もう抑えきれなくて…」


「不安そうな顔をなさらなくても大丈夫ですよ。優しくしますからね。」

そう言うとタレ目のエルフは潤滑剤の様なものを自分の股へ垂らし始めた。先ほどまではスッキリとしていた筈のそこには、彼女達の腕ほどの太さがあるかの様な逞しい男根が備わっていた。


「サリナ、私にもそのローションを分けて下さい。もうこのままこの人間さんのことめちゃくちゃにしてしまいたいですから」


そいういとヘレナもいつの間にかゴリっと膨らませていたモノにローションを垂らし始める。

股間を伝い、それが俺の腹にも垂れてきて冷たい感触に身体が緊張してしまう。


「おや、身体を固めてしまってはいけませんよ。これからあなたは夜通し私たちの相手をしてもらうのですから。」


「あなたも痛いのは嫌でしょう?大丈夫ですよ。最初は圧迫感があって少し辛いかもしれませんが、私たちが優しくリードしてあなたを今まで感じたことのないところまで連れて行ってあげますからね」


「まぁ、妊娠を容認された時点で今のあなたに拒否権などありませんが。私たちのこれまで溜まってしまった分、全てあなたにぶつけますから、精々気をしっかり持って私たちを楽しませてくださいね。」


そう一方的にこちらへ言葉を放ってくる2人を前に俺はただ受け入れるしかなかった。

一方的な愛情を無理やりに身体に注ぎ込まれるような、その日の夜はそんな時間を長い間…本当に長い間過ごすことになった。


〜1話〜


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