この道の向こう
@namakesaru
この道の向こう
Story 1
私は終わりのない道の途中にいた。
平べったい世界の果ては、幻のようにゆらゆらと揺れている。どこへ続くかも、どこで終わるかもわからない。そんな道が、彼方先まで延びる。
後ろに伸びる自分の影だけがただ私の後ろをついてくる。
私は終わりのない道の途中にいた。
・・・ここはどこだ?自分はどこへ向かって歩いているのだろう。
平べったい世界の果ては、幻のようにゆらゆらと揺れている。
まっすぐ歩いているはずなのに、いろんなものがぶつかってくる。行きかう人々、街路樹。足元を見れば、まるで地面が波打つかのよう。夜空を見上げれば、くらりと眩暈がした。
どこへ続くかも、どこで終わるかもわからない。
この苦しみから逃れる術はないのだろうか。一つの苦しみから逃れようとした結果、あらたに経験することになったこの苦しさ。
そんな道が、彼方先まで延びる。
どこへ行けば楽になれる?いつになれば解放される?
後ろに伸びる自分の影だけがただ私の後ろをついてくる。
「ついてくるなよ!」
振り向いて自分の影に怒声を上げる酔っぱらい。ただ一瞥をくれて通り過ぎていく人々・・・。
_______________________________________________________
Story 2
私は終わりのない道の途中にいた。
平べったい世界の果ては、幻のようにゆらゆらと揺れている。どこへ続くかも、どこで終わるかもわからない。そんな道が、彼方先まで延びる。
後ろに伸びる自分の影だけがただ私の後ろをついてくる。
私は終わりのない道の途中にいた。
どこへ向かって歩いているのだろう。
平べったい世界の果ては、幻のようにゆらゆらと揺れている。
あるときはオアシスのように優しく、あるときは洞窟のように闇。
あるときは朝日のように神々しく、あるときは淀んだ沼。
あるときは夕日のように温かく、あるときは白い平原。
移り変わる蜃気楼。
どこへ続くかも、どこで終わるかもわからない。
分かれ道があるのだろうか、引き返すことは出来るのだろうか。
倒れたら誰かが手を差し伸べてくれるのか、誰かと連れ立っていくことになるのか。ずっと一人なのか、どこかでまた一人になるのか。
そんな道が、彼方先まで延びる。
気づけば歩み始めていたその道。
後ろに伸びる自分の影だけがただ私の後ろをついてくる。
歩む先には、確かに光がある。
この道の向こう @namakesaru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます