概要
泣き寝入りなんて、私が絶対にさせません。――異議あり!
冤罪で家族を失い後宮で働く奴婢に身を落とした精華は、温徳嬪という優しい妃嬪に拾われて、ひさびさの穏やかな日々を過ごしていた。ところが温徳嬪が大切にしていた形見の白磁が、皇帝の寵妃である孟淑妃に借り逃げされてしまう。「銘品を茶会で使いたい」と言われて貸したところ、偽物にすり替えて返却されたのだ。
何度返してくれと頼んでも、孟淑妃は「もう返した」の一点張りである。寵妃には逆らえないと泣きながら諦めようとする温徳嬪に、精華は言った。
「泣き寝入りなんて、私が絶対にさせません」
実は精華は、科挙くずれで訟師(弁護士)をしていた父の仕事を、幼い頃から男装して手伝っていたのだ。精華は完璧な訴状を作ると、皇太后に孟淑妃の横暴を訴える。
こうして、後宮で裁判が開かれることになったのだが――。
何度返してくれと頼んでも、孟淑妃は「もう返した」の一点張りである。寵妃には逆らえないと泣きながら諦めようとする温徳嬪に、精華は言った。
「泣き寝入りなんて、私が絶対にさせません」
実は精華は、科挙くずれで訟師(弁護士)をしていた父の仕事を、幼い頃から男装して手伝っていたのだ。精華は完璧な訴状を作ると、皇太后に孟淑妃の横暴を訴える。
こうして、後宮で裁判が開かれることになったのだが――。