第5話 ハルトの地獄生活①
(・・・なんだか、あったかい。あれ、何、してたんだっけ?そうだ、クラスメイトに見捨てられて、それで・・・・・・ッ!!)
アタシは思い出してその場から飛び起きた。
「・・・おう、やっと起きたか、トーカ。」
そばにいたのは1ヶ月前迷宮の下に落ちて死んだはずの、ハルトがいた。
「・・・・・・えっ、なんでハルトが、ここに・・・?あんたは、死んだはずじゃ・・・」
だが、その前に言わなければいけないことがあった。会えないとわかっていても、もし会えたら絶対に伝えないといけない言葉。
「・・・・・・取り乱してごめん。生きてて良かった。それと1ヶ月前の私たちがしたこと、本当に、ごめんなさい!!」
せめてもの誠意をだそうと、頭を地面に擦り付けながら言う。
「私たちはあなたに、謝っても仕方がないほどの酷いことをした!酷いなんてレベルじゃないかもしれない!償いになるとは少しも思ってない!でも、これだけは言っておきたかった。ごめんなさい、本当に、ごめんなさい・・・」
全力で土下座しながら繰り返し謝っているとハルトがアタシの頭を撫でながら優しい声で言った。
「頭を上げて、トーカ。大丈夫、俺はお前の事は恨んでないよ。トーカだけは俺を庇ってくれた。しかもこうして一番最初に謝ってくれただろ?安心しろ、俺はお前の親友を辞めるつもりはないよ。」
そのあと、ハルトはちょっとおどけた様子で笑いながら言った。
「それに、助けたやつを恨むなんておかしな話だ。」
その言葉を聞いた時、ついに耐えきれずにアタシの目から涙がこぼれ落ちた。
「・・・ィッグ、う、うゥ、・・・がとう、ありがとう・・・!ハルトっ・・・!」
「あ〜おいおい待て、泣くな!えぇ〜と、こんな時どうすれば・・・・・・」
突然泣き出したアタシにオドオドしている様子を見ると自然と顔に笑みが浮かんだ。
「それじゃ改めて、この地獄でもよろしくな。トーカ!」
「うんっ。頼りにしてるよ、ハルト!」
「そういえばさ、ハルト。あんたこの迷宮の奥でどうやって生き延びてきたの?とてもその、言っちゃ悪いけど、E級のスキルじゃあ魔物たちに勝てないよなぁと思って。」
「う〜〜ん、どうやってかぁ。正直俺戦ってはないんだよな。」
「え、じゃあどうやって・・・」
「流石に生身の人間が真正面から行って異形の生物に勝てるはずないって。俺は魔物を狩ってたな。」
そこからハルトは、落ちた後の話をアタシにしてくれた。
魔物の叫び声から逃げたハルトは狭い洞穴の中で自分のスキル確認とこれからの生き残り方について考えていた。
「やっぱり、この世界は自分でスキルを創れるみたいだな。」
スキル欄にはこれまであった『影』やその他のスキルが載っている。とても見やすい仕様になっている。
そしてさらに『闇属性』が追加されている。なんか影と闇って分かりずらいな。
ステータスはLv.7からLv.26に大幅アップ。HPやMPなんかも上がっている。特に上がっているのがMPだ。最初は50くらいしかなかったのに今では480もある。ちょっと齧っただけなのにこれほどとはベルゼブブ自体はどのくらい強いのだろう。
今のステータスはこんな感じ。
〜〜〜〜〜
名前: ハルト
種族: 人族
Lv.26
体力: 230/360
魔力: 440/480
攻撃: 470
防御: 310
速度: 450
知能: 410
スキル:
『影』、『闇属性』『言語理解』、『鑑定』、
『四大魔法』、『闇魔法』
称号:
召喚者、A級スキル使い、悪魔喰らい、
魔王に認められし者
〜〜〜〜〜
しばらく実験していていくつかわかった事があった。
まずは『鑑定』。これは対象のレベルやステータスを視ることが出来る。その対象は自身のステータス画面にも適応できるらしく、『影』と『闇属性』の違いもわかった。
『影』はこの能力に関係するスキルたちの総称。それだけでは弱いがさまざまなスキルに派生する可能性を持っているらしい。
試しに『影』を鑑定してみると『影狭間』や『暴食』が追加されていた。
次に『闇魔法』。これも『影』と同じ様な感じだ。
中には『
そして『闇属性』、これは魔法に闇の属性を付与するスキルだ。
闇属性の効果は
『無効•耐性無効化、防御貫通』というブッ壊れの強さ。限度はあるにしても避ける以外対策がないのは強すぎる。
とりあえずスキルは確認できた。次は・・・・・・
「ぐうぅ〜〜〜・・・・・・」
食料の確保だ。あぁ、腹減った・・・・・・
最弱のE級スキル『影』を使ってドン底から這い上がる 月夜桜 @iwapei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最弱のE級スキル『影』を使ってドン底から這い上がるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます