第3話 杖

五郎さんが殺されそうになっていたので、止めました。

相手は銃を持っていたので、生半可な覚悟では敵わないと思いました。


杖で銃を叩き落としたとき、勢い余って相手を傷つけてしまいました。

ケガをさせてしまったことは申し訳ないですが、仕方のないことだと思っています。


知らない人が、五郎さんを殺そうとしていた。

私にとっては、それだけのことでした。


恐怖がなかったわけではありません。

それでも、私は五郎さんを守りたかったのです。


五郎さんには何度か野菜を盗まれたことがありました。

でも、それが五郎さんを見殺しにする理由にはなりません。


私のしたことは、正しかったと信じています。

五郎さんを守るのに、迷いはありませんでした。


人か熊か。

それを考えなかった自分を、誇らしく思っています。

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私は、そういう人間です @omuro1

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