第2話
第2話【勧誘】
朝の冷たい空気が頬を撫でる。
薄曇りの空の下、俺は軽く身支度を整えると、いつもの場所へと足を向けた。
斗愛「よーし。今日も俺のモテ度チェック、お願いします!」
「あぁ、斗愛ちゃんか。確認してみるね。少し待っていておくれ」
この男は、俺の専属サポーター。
冒険者には一人ずつ担当のサポーターが割り振られ、彼らが任務の管理から生活の補佐まで、影のように支えてくれている。
「んーっと……今来てる勧誘は、こことここだね。……アプローズも、また声かけてきてるけど。入らないよね?」
斗愛「えぇ、アプローズには入るつもりはありません。それよりも……こっちに加入します」
「……もったいないなあ。でも分かった。手続きはこっちでやっておくよ。明日の朝、メンバーの三人と面会してもらえる? 段取りは通しておくから」
斗愛「了解です。それじゃ、失礼します」
ドアを開けて一歩、外に出たその瞬間——空気の中に混じる微かな“違和感”に、思わず足を止めた。
斗愛「……で、さっきからこそこそつけてきてんのは誰だ。出てこいよ」
「やっぱり気づいてたか。今回も……勧誘失敗かあ。おかしいなあ? 僕たち、一応“最強のギルド”って言われてるんだけど?」
斗愛「俺は弱い。そっちのギルドに相応しい器じゃない」
「でもね、僕は“君の可能性”に賭けてみたいんだよ」
斗愛「曖昧な可能性に賭けるより、今いる仲間と実力を積み上げた方がよっぽど合理的だと思うが」
「……一理あるね」
斗愛「じゃ、俺は帰る。……しつこいのは嫌われるぜ?」
足音だけを残して、俺はその場を離れる。
その背に、視線がしばらく突き刺さっていたが、やがてそれも消えた。
帰宅後、適当に夜まで時間を潰し——
斗愛「……寝るか。もう夜遅いしな」
⸻
翌朝。
斗愛「……ん? 今……何時だ……?」
スマホの画面を見た瞬間、胃の奥がひっくり返った。
斗愛「やっべ! 遅刻してる!!」
寝ぐせも気にせず、風のように家を飛び出す。
たぶん、人生で一番速いダッシュだったと思う。
斗愛「はぁ……っ、すみません!!寝坊しました!!」
勢いそのまま、土下座。完璧にキマった……はず!
暖斗「頭を上げてください、如月様! 本当にお気になさらず!」
斗愛「いやいや……本当に、申し訳ないです……」
凪「いえいえ!」
少しの沈黙の後、凪が静かに口を開いた。
凪「では、さっそく本題ですが……うちのギルドに入ってくれる、ということでいいんですね?」
斗愛「ええ。俺なんかでよければ、ぜひ」
凪「なら即採用! 共に高め合いましょう!」
笑顔が眩しい……というか、全体的にテンションが高いな。
凪「それで……急で申し訳ないんだけど、今から任務に行けますか?」
斗愛「もちろん。メンバーの力量を知るには、ちょうどいい機会だと思います」
ーー
受付人「任務難度、どう致しますか?」
ーーー
【任務難易度 早見表】
・F 一般人でも武装しているプロ格闘家とかなら行けるか行けないかぐらい
・E 一般人なら瞬殺、冒険者なら余裕
・D 冒険者でも駆け出しなら生死の確率が五分五分レベル
・C 駆け出し冒険者でもある程度抗えはするが十中八九死ぬ
・B 駆け出し冒険者なら瞬殺
・Aこの任務をクリアできるなら1人前レベル
・S 中級冒険者レベルでも油断してたら死ぬ
・SS 中級冒険者程度なら瞬殺
・SSS 上級冒険者なら余裕
・EX 上級冒険者成り立てレベルなら秒殺
・EX1 ベテランの上級冒険者でも生死の確率3:7ぐらい
・EX2 アプローズによりクリア済み。現在クリア済みのクエストの中で最高難度
・EX3〜UX 挑戦者がいない為不明
ーーー
連「はは……正直、僕らDでもギリギリで……でも、斗愛さんがいれば、Cでも行ける気がします!」
斗愛「じゃあ行きましょう。C級、絶対にクリアさせます。」
連「はいっ!」
斗愛「……じゃあ、C級のデスワーム討伐で。お願いします」
彼は、世界に背を向けた @ippannjin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。彼は、世界に背を向けたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます