静かで詩的な筆致が光る、心を溶かす吸血鬼譚

第一話まで拝読しました。

無気力に生きる不死の吸血鬼と、過酷な運命にさらされた少女。
この二人の出会いが、淡く優しい救いとして描かれる。

平穏で詩的な日常描写と、突如訪れる緊迫の暴力シーン。
この緩急が、読む者の感情を心地よく揺さぶる。

キャラ同士の距離感が絶妙で、「恋愛未満のぬくもり」が心に沁みる。
文章は美しく、まるで絵画のような情景が浮かぶ。
淫魔や夢魔など脇役も魅力的で、静かなユーモアが光る。
ファンタジーでありながら、情緒で読む物語。
じんわり温かい読後感が、ゆっくりと読書するのにぴったりな一作です。
また続きを読みに来ます。

その他のおすすめレビュー

悠・A・ロッサ @GN契約作家さんの他のおすすめレビュー223