後編:5G -judgement-
「どうしてなの? 絶対におかしい。〈
忘れてはならないのは、
「私の医院の顧客データに、誰かがアクセスしてるわ。住所検索履歴が大量に残ってる! なるほど、簡単じゃない」
そういうわけで
とある加賀の、
医者の印とは対照的な
「「コロシタイベー、タベタイベ、レプレプコロコロ、ワクワクタヒタヒ……」」
おどろおどろしい二重奏のそれは、禁じられた魔導書に記されていそうな、呪文のよう。
「あんたたち、ここで何をしているのよ!」
小物感満載、素っ頓狂な声で、
「ほぇ? 何ってそりゃあ……電気工事の類ですよ? ほら、この電柱を見てご覧……って、お前は!!」
「貴様ッ! 噂の詐欺女医、ミスカミウコト!?」
と
「はぁ!? 逆よ、逆!
白衣の右ポケットに、手を突っ込み、
「というか、何よ、その柱から伸びてる、綾取りみたいな紐たちは」
「これは、電柱を支柱に銅線の結界を敷いて毒の磁場を築いているのさ! そこから発生する電離放射線レベルの電磁波をニンゲンに浴びせてミトコンドリアを破壊して細胞の癌化を誘発するという、まさに呪いの結界——」
ドクトル・ゴジバコン即刻自供。
「おい! それは
慢心舐め腐りな、ナイヤロ・メドベードフ博士。
「そうかしら? こっちも丸腰ってわけじゃ、ないのよね……ジャン! これ、何だかわかる?」
「「そ、それは!!」」
「あんたらが、プラセボだとか、霊感商法だとか詐欺だとか散々
「だ、だから何だって言うんだ? それはただの玩具! ということになっているよな、メドベードフ博士?」
「そ、そうだ! 仮に効果があったとしても、たかが治療器具、我々に敵うはずが……」
と、吠えるナイヤロ・メドベードフ博士は既得権益者にありがちなカブトムシ体型であるし、ドクトル・ゴジバコンは風吹けば折れそうなヒョロガリ。
「フッ。あんたら、甘いわね。所詮は『権威』、レッテルだけの裸の王様よ。裁きを……受けなさい!」
「は、ハッタリだ! こっちには呪いの結界があるんだぞ?」
ドクトル・ゴジバコンはずんぐり体躯を反転、電柱を
「そうだそうだ! 奴にも毒の磁場を……コロシタイベー、タベタイベ、レプレプコロコロ、ワクワクタヒタヒ……」
ナイヤロ・メドベードフは両手を左胸の前でおにぎり的三角型に組み、呪文詠唱へと移る。
が、
「〈
と、〈
「ダイヤルレベル、
ナイヤロ・メドベードフ博士と、ドクトル・ゴジバコンに、〈
二体の、トゲトゲヌメヌメ黒光りの
「「ぎゃあああ! 変身解けたあああああああ!!」」
と、己の
「遺伝子改変効果で、塩基配列をあるべき並びに
「あと、これは、ダメ押しよ」
微笑み、追い討ちをかける。
「5・G・J ——レベルファイブ・グラビティ・ジャッジメント!」
〈
二匹の爬虫類は、身動きを封じられ、底なし沼に
「「覚えてイロミナティーっ!!」」
の捨て台詞と共に、地からマッドなハンド四本が中指立てて、埋め消えた(アイル・ビー・バックはやめてくれ!)。
程なくして、
世界医学会は判断ミスを認め、
〈
人々は、〈
とある医学のターボガン 加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】 @sousakukagakura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます