純真無垢

第1話

きっとあいつは地獄でも綺麗に咲くんだろうなと思った。俺は世界が大嫌いだ。幼い頃より常に周りに気を使い続けていた俺は物心ついたときには人の言葉に乗せられた感情を異常なまでに読めるようになっていた。知りたくもないような感情にさらされて１６年も生きたので俺はひねくれた性格になった。ちょうどそのころ俺は引き取られた家で問題を起こし田舎の小さな施設に引き取られた。そこで俺はあいつと出会ったのだ。施設といっても噂では金持ちの道楽でやっているところなので待遇はあり得ないほど良かった。村には１５人しかいないのに施設は１０人もの子供を受け入れているそうだきっと子供はみな訳ありなのだろうと俺は思った。いや訳ありなのはその施設の院長か。そんなことを考えながら院長の執事だと名乗る黒滝の車に揺られること３時間で施設のある雪水村についた。車から見える施設はヨーロッパの洋館のようだ。俺は前にも一度施設に預けられたことがあるがそこの１００倍といったところだろうかたった１０人の子供にこの広さはないだろそんなことを思い館をにらみつけていると、黒滝があの洋館の周りはほとんど我が院のものですよ子供がのびのび過ごせるようにと院長がお考えになったそうですと語った。さすが金持ち様様だ。黒滝に連れられ通されたのは院長室。黒滝は紅茶と菓子を手早く準備すると部屋をあとにした。