「RPGゲーム」のアレ問題から生まれた、新ボランティア
冒険者たちのぽかぽか酒場
第1話 RPGゲームのクリア直前や、エンディングシーンが進めば進むほど困るアレで、本当に困っている人を救えたら良いのになぁ
異世界をテーマにした RPGゲームで、どうしようもなく困ることがある。
「ついにラスボス撃破!…は良いけれど、手持ちのアイテムがあまってどうしようもない」
困る。
手に入れた強い武器や防具を売り払い、大金を手にできても…。
もうすぐ、ラスボス戦。
「さすがに、必要ない気がする」
「銭を投げるアビリティを持っているのなら、別だが」
「それ、なつかしいね」
「ゲームをはじめたころは、貴重な物だったのに」
「ファンタジーな異世界を救ってあまった金やアイテム、使えないものか」
エンディングシーンが進めば、あまってしまったアイテムを売り払うチャンスは、ほぼほぼなくなる。
「困った…」
世の中、同じことに悩む人は多い。
ただねえ…。
「ファンタジーな異世界を救ってあまったアイテムなどを換金する」
それって、できるの?
そんなある日、だれかがすばらしい意見を出した。
「ラストバトルを終えて使わずにあまった傷薬やポーションみたいな回復アイテムを、リアル世界の災害地とかに送れるようにしてみたらどうか」
尊い。
新しいボランティアだ!
被災地や戦場など、リアル世界に広がる疲れた場所に、ファンタジー世界を救ったあとにあまってしまった回復アイテムが特殊なルートを通じて送られることになった。
入手したのに使わずに持っている強力な武器防具を売って得た金もまた、特殊ルートから、リアル世界に届けられることになった。
「薬がない!」
「食べる物もない!」
「金も、寝る場所もない!」
なげくたくさんの人々を、ファンタジーな世界からでも救えそうになってきた。
困っている土地から、感謝の言葉が寄せられる。
外国にも送られるので、外国語も多い。
日本語にすれば、こう。
「ありがとう」
が、変。
同じ日本人でも、感謝の言葉を返さない人がいるのだ。
「…」
変。
言葉は、通じるはずなのに?
が、今日ついに謎が明らかとなった!
「同じ日本人でも、アイテムとか金をもらって感謝の言葉なしなやつらがいるだろ?」
「みたいだな」
「ついに、正体がわかったぞ!」
「で、だれなんだ?」
「そいつらは、だれかに何かをもらって、何かをやってもらうのが当たり前と思って生きてきて…俺らの世代をつぶした…」
「涙をふけ」
「RPGゲーム」のアレ問題から生まれた、新ボランティア 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます