第38話

 ルナの握手会、その噂は広がり教会にたくさんの資金が集まった。

 握手会には多くの人が集まる。


 そして俺は分身をして計18本の白き叡智なる手で10秒ほどずつ自然治癒の魔法を使って回転率を上げる。

 ちょっと調子が良くなる程度の効果しかないはずだが、お清めやお守りのようなイメージで浄化券の販売は好調だ。


 トラブルはあった。

 ルナの新衣装はノワールとエリスの説得で断念した。

 

 保守的な層からクレームが来て教会が使えなくなった。

 代わりに集会所のホールに会場を変更した。



 ルナはアイドルとして力を付けていった。

 だが、次第に客足は減っていった。


 ルナ・ノワール・エリス・プリムラが集まり作戦会議を開いた。


「もう、終わりでもいいと思うんです」

「きゅきゅう(ルナ、諦めるなって、また行ける、熱くなれよ)」

「それの意味が私にはまだよくわかりません」

「ですが噂を聞いて1回来ればもう来なくてもいい、そういう方もいますわ。これ以上の集客は難しいですわね。宣伝にお金をかけすぎるのもいけませんし」


 ノワール、優秀だな。

 客が一周した、その意味をすでに掴んでいる。


「きゅうきゅう(俺の案で試したい事がある)」


 通訳してもらいつつ話をした。



 ◇



「言っている事は分かりますわ、ですがうまく行くかどうか」

「いいじゃない、やってみましょう。そのやり方なら失敗してもそこまで損は無いわ。それに時間もかからないわ」


「きゅきゅう(一番いいのは皆もルナのように祈りに参加する事だ。ユニットを組んで祈り系アイドルグループとして活動しよう)」

「一番いいのはみんなも私のように祈りに参加する事です。ゆにっとを組んで祈り系アイドルグループとして活動しましょうと言っています。少し翻訳が難しいです」


 みんながスッと目を逸らした。


「何となく、意味は伝わりましたわ。わたくしは王女としてある程度の威厳が必要ですわ。それに公務がありますの。今は内政のお手伝いもしているのですわ」

「私はお嬢様の護衛があります」

「わ、私も、嫌よ」


 ルナにはやらせておいて逃げるノワールはどうかと思う。

 プリムラは即逃げたし。

 エリスは素直に恥ずかしがっていて可愛い。


 こうしてルナだけがアイドルを続ける。

 次の作戦を進める事になった。



 ◇



【夕方の広場】


 広場の地面をを雪が白く染める。

 ルナが広場の中心に立ち俺はその肩に乗っている。

 その周りは木とロープの柵で囲まれている。

 更にその周りには兵士が並び、集まったたくさんの人を誘導する。


 やるのは無料の祈りコンサートだ。


「見学は無料ですが柵の中には入らないでください!」

「今からルナさんの無実を証明する為聖獣の強力な浄化をしつつルナさんに祈ってもらます!」


 無料という事で、男だけでなく女性や子供、老人も集まる。

 この国は娯楽が無い為王都の掲示板に1枚紙を貼るだけで人が余る。

 少し暗くなってきたか。

 今が丁度いい。


「今から始まります。私語は厳禁です、静かに見守りましょう!」


 ルナが雪に両膝を突いた

 そして腕を組み、目を閉じ女神に祈る。

 俺はルナの服に白き叡智なる手を入れて遠慮なくマッサージする。

 白き叡智なる手をスポットライトの代わりに光らせた。


「ん! くう! ふうう! ふぉ!」


「お、おい、あれって、エロ」

「バカ、聖なる浄化だ!」

「そ、そうだ、何もおかしなことは無い。はあ、はあ」

「聖なる光で強力に浄化しているだけだ」


「お、おい、光が漏れて、ローブが透けて、見えてないか?」

「聖なる浄化が激し、過ぎないか? はあ、はあ」

「いや、ルナはまだ無実になっていない、激しい浄化で無実を勝ち取るのは、はあ、はあ、悪く無い手だ」


「下着の、中まで、浄化している。ゴクリ」


「静かにしてください!」


 兵士が叫んだ。


 静かになるとルナの声が広場に響く。


「ふうう! んああ! はあ、はあ、んんん!」


 ルナが耐えられなくなり前に倒れこむ。

 両肘と組んだ手を地面の雪に突いた。

 四つん這いのままルナが祈り続ける。


「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」


 これが俺の狙いだ。

 ルナは耐えられなくなるとこうなる。

 男性陣はこの動きを見逃さないはずだ。


 ルナが痙攣して悶える様子。

 ルナは必死で祈ろうとするが激しい浄化でうまく行かない。

 不完全なものを人は応援したくなる。 


 男性の目。

 その多くがルナに釘付けになった。

 そしてその両手は祈るようにしっかりと組まれる。


「終了です。この祈りを最後まで見たい方は集会所までどうぞ!」


 ルナが前に倒れこんですぐに無料イベントを終わらせた。


「撤収します! 柵を撤去します!」


 俺達は素早く去って行った。


 


【次の日の集会所】


 集会所のホール。

 その中心でルナが祈りを捧げて四つん這いで悶える。

 俺はルナを遠慮なくマッサージする。


 周りにはたくさんのファンが集まる。


「んんん! はあああん! ふうん! おん!」


 集まったたくさんの男性がルナを応援する。


「ルナちゃん! 頑張りは伝わってるよ!」


「ルナちゃん! 頑張って!」


「ルナ! もっと頑張れるよ!」


「応援してるよ!」


「これは神聖な儀式だ、恥ずかしがらないで!」


 日本円にして5000円の入場料。

 それでも人が集まった。

 椅子が無く、柵の外ならどこから見てもいい粗末なホール。

 だがそこには熱狂があった。


 男が一番興奮するのは完全なエロではない。

 そう、エロい事はしていないのだ。

 何かハプニングが起こりそうで起こらない不安定な状況。

 それが皆を魅了する。


 ルナは裸ではない。


 肌を見せているわけではない。


 エロい事が行われている訳でもない。


 でも男は見えそうで見えない状況に興奮する。


 そしてこれは聖なる行いだ。


 光の魔法でマッサージをしているだけだ。


 ルナは白き叡智なる手に照らされてダラダラと汗掻く。

 その体液がローブを湿らせる。


 そして体を揺らして小刻みに震える。


 毎日集会所で祈りのコンサートを続けた。



 そして熱狂的なファン以外人が少なくなった所でルナの無実が確定した。

 今日は祈りのコンサート最終日だ。

 祈りが終わるとルナが子羊のように立ちあがった。

 みんなが応援する。


「頑張れ!」

「無理しないで! 座ったままでいいよ!」

「さみしいけど、今までありがとう!」


「はあ、はあ、はあ、はあ、いま、まで、おうえん、して、くださって、はあ、はあ、はあ、はあ、本当に、本当にいいい! ありがとう、ございましたあ! 私は、皆さんの前で行う祈りの、浄化を、卒業します! これからは普通の女の子になります、それでも、毎日、祈ります! 女神様に毎日祈ります!」


「ありがとう! 今までありがとう!」

「うおおおおおおおお、ルナああああ!」

「うえええええええん。ルナちゃああああああああん!」


 ルナが小走りでホールを去って行った。



【ルナのファン視点】


 ルナのコアなファンが円を組んで語り合う。


「なあ、今まで、楽しかったよなあ」

「ああ、楽しかった。あんな奇跡の子は、中々現れない。もう、現れないのかもな……」

「俺達、ルナちゃんを救ったんだよな」


「ああ、救った、救ったんだ」

「ルナちゃんと、結婚して、一緒に寝て、そんな妄想をしてたよ! 俺は!」

「俺だって、みんなそうさ、そんな、夢物語を妄想して、でも手が届かない、それが祈りのアイドルだ」


 男性ファン思いに浸っていた。

 もう金策は終わった。

 ルナがアイドルに戻る事は無い。



【クエス視点】


「んああああああああああああああああん!」


 ルナが声をあげる。

 部屋で生まれたままの姿になったルナがベッドの上で乱れる。

 天井を見つめるルナに白き叡智なる手で目隠しをする。


 体を撫で回すとルナのお尻がふわっと浮かび上がる。

 そして三日月のように仰け反った。

 こうなったルナは簡単に女になる。


 今のルナは集会場での祈りの浄化で何とか保っていた上品さすら無い。

 三日月に仰け反ったルナ。

 暖炉の炎が三日月の影を壁に映し出す。

 そして力が抜けたルナが沈むようにお尻をベッドに落とす。

 ルナの影が激しく乱れ踊る。


 その女になった踊りは汗で体が濡れて肌がてかてかと光る。

 乱れた髪が何本も顔に張り付くほど乱れ狂う。

 ルナの体は冬とは思えないほど熱く、冷める気配が無い。


 ルナは悲しい犬の遠吠えのような声を操られるように何度も発する。

 その声を何度も何度も部屋中に響かせる。

 

 またルナの体に力が入った。

 そして体が三日月に仰け反る。

 ルナはそれと同時に悲しい犬の遠吠えを絞り出す。

 そして力が抜けてベッドにお尻からトスンと落ちる。


 俺はまたボタンを押すようにルナを三日月にして遠吠えを出させた。

 そしてルナの力が抜ける。


 ボタンを押すようにルナを三日月にして力を抜かせてまた三日月にする。

 何度も何度も、何度も何度もルナを三日月にして沈ませた。

 壁には三日月の影が浮かび上がり沈むを何度も繰り返す。

 


 白き叡智なる手を止めて休ませた。


「はあ、はあ、はあ、はあ、凄い、です、こんなの、はじめ、て」

「きゅきゅう? (気持ちよかった?)」

「はい、はあ、はあ、はい、クエスぴい」


「きゅきゅう(もうクエスでいいよ)」

「はい、クエス様。もう、アイドルは終わってしまいましたけど、祈りをして浄化して貰ってみんなに見られて恥ずかしくて、でも、少しだけ気持ちよかったんです。皆に応援してもらって、嬉しかったんです」


「きゅきゅう? (そっか、さっきの三日月と祈りのコンサート、どっちが気持ちいい?)」

「クエス様の三日月に比べたら、集会所での祈りは、そこまでではないです」


「きゅきゅう? (三日月になるのは好き?)」

「はい、クエス様の三日月が一番です。もっと、私を三日月にしてください、何度も何度も。祈っている時は何も、シテ貰えなかったので、もっと、三日月をたくさん欲しいです」


「きゅきゅう(嬉しいよ、たくさん三日月するね)」

「はい、クエス様は私を救ってくれた白馬の王子様です。どうか私を、何度も三日月にいいいいいいいいいいいいいいいいん!」


 ルナを何度も三日月にした。


 そのたびにルナの上品さを脱ぎ去った本当の顔を見せた。


 部屋の壁には何度も三日月の影が昇っては落ちる。


 夜の空に光る三日月が朝の光で消えるまでルナは簡単に操られ続けた。


 ボタンを押すように、


 何度も何度も。





 あとがき

 読んでくださっている方には少年漫画のドキドキを味わって欲しいと思い執筆しました。

 ですがエロに関しては規約の制限があります。

 なので、


・主人公設定の工夫(白き叡智エイチなる手による浄化)

・場面転換(危ないと思ったらワープ)

・比喩的表現(直接的表現はダメ)

・でも分かりやすく(直接的表現をせずイメージしやすくする矛盾)

・前後のストーリーを工夫(アイドルを辞めたルナがベッドで三日月)


 と方向性に矛盾を抱えつつ執筆しました。

 そして、思いつく技術を全部使って規約を回避しました。


 今回は三日月の単語で何とかセーフな表現に持っていきました。

 ではまた~



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もふもふ転生~推しの巨乳悪役令嬢を守る為『聖なる叡智の魔法』で敵キャラさえも分からせ聖獣無双をシマす~ ぐうのすけ @GUUU

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