曇天
夢飲 揺眼
曇天
潸々、穹が泣いてゐる
己の矛盾に胸を腫らして
潸々、穹が泣いてゐる
騒々しく、人の浪ばかりに揉まれて
見も知らぬ人が歩む道をさけ、
ただひたすらに逆らつてゆく
今は晴れだろうか、雨だろうか
晴れだろうか、雨だろうか
胸に聞いてみても返事はせぬ
猫に聞いてみても返事はせぬ
ただ、どちらともない穹
荒浪のやうに心は乱れて、
やれ自分は哀れな人だと嘆き、
やれ自分は素晴らしき人と宣う
さて、この矛盾をいかと例えようか
矛盾、矛盾、矛盾、矛盾
そうして心を覗いてみれば、
正当など有りはしない物と思えてくる
暗闇に落ちて身をちぢめているのが自分なら、
喜び遊んでいたのは誰なのであろう?
だれも知りえない矛盾の虚像
どちらも、己には違いないのだ
曇天 夢飲 揺眼 @Yumenoma_Tayume
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます