曇天

夢飲 揺眼

曇天

潸々、穹が泣いてゐる

己の矛盾に胸を腫らして

潸々、穹が泣いてゐる


騒々しく、人の浪ばかりに揉まれて

見も知らぬ人が歩む道をさけ、

ただひたすらに逆らつてゆく


今は晴れだろうか、雨だろうか

晴れだろうか、雨だろうか


胸に聞いてみても返事はせぬ

猫に聞いてみても返事はせぬ

ただ、どちらともない穹


荒浪のやうに心は乱れて、

やれ自分は哀れな人だと嘆き、

やれ自分は素晴らしき人と宣う

さて、この矛盾をいかと例えようか


矛盾、矛盾、矛盾、矛盾

そうして心を覗いてみれば、

正当など有りはしない物と思えてくる


暗闇に落ちて身をちぢめているのが自分なら、

喜び遊んでいたのは誰なのであろう?


だれも知りえない矛盾の虚像

どちらも、己には違いないのだ

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曇天 夢飲 揺眼 @Yumenoma_Tayume

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