僕が子供の頃、町の中には子供がたくさんいて、いつもどこかで誰かが何かをして遊んでいました。ゲーム機はあったけど、それでも外で遊ぶ子が多かったです。
それなりの田舎町で、僕は自転車が大好きで行動範囲は広く、友達が見つけた面白い場所で遊んでいました。今では危険だとNGかもしれないけど、道路の下を通っている川を探検して謎のトンネルを冒険したり、製紙会社の廃材を捨てている場所でドロドロになった廃材の海を横断しようとして沈み死にかけたり、河の中に入り上流の何処まで行けるのか流れに逆らい歩き倒したり、海に行き引き潮で柔らかい場所を満ち潮になる前にどこまで掘れるか掘ってみたり、自然の中で色々と遊んでいました。
そんな僕が子供の頃にいつも感じてたのは、どこにでも生き物がいると言う事です。
名前も知らない様々な小さな虫だったり、川ではカエルやザリガニや蟹や小魚だったり、時には海で海亀の死体に出会ったり。森に入れば大きな木にも生命力を感じたし、季節毎に知っている場所には新たな草花がその命を咲かせ、すべてが生きていると感じていました。
僕は子供の頃、大人になった今よりも、遥かに世界の生命を身近に感じていました。
そんな僕は本作を拝読して、懐かしくも愛おしい世界の命を感じました。
お勧め致します。
気が付けば失くしてしまった感覚、昔と形は変っているかもしれないけど、やっぱり世界には生命が息づいているのだと思いださせてくれた物語です。
皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)