概要
世界なんて暗く最低で不幸ばっか。その中で唯一、小さく光る者が居た――。
『天使患い』
つい最近、その言葉の存在を知った。
意味は言葉通りで、今にも砕け散りそうなほどの儚げな雰囲気を醸し出し、天使が取り憑いたかのような笑顔を浮かべている人間のこと。その根底に沈殿しているのが、この世界の全てに対する、絶望と失望、そしてもはや殺意と大差ないほどの諦念だ。
思えば彼女は天使を患っていて、愚かな俺はその意味を誤解していた。彼女の虚しい優しさを、どこまでも崇拝していた。それは間違いなく、彼女の絶望をも肯定してしまうような心情で。
だけど、無事堕天を果たした彼女は、勢い余って俺までも救ってしまったのだ。上手に生きれもしなければ、だからといって一思いに死ぬことも出来なかった俺を。人生という概念を遥か彼方へとぶん投げて、なんならバラバラに引き裂き、燃えるゴミにでも出して
つい最近、その言葉の存在を知った。
意味は言葉通りで、今にも砕け散りそうなほどの儚げな雰囲気を醸し出し、天使が取り憑いたかのような笑顔を浮かべている人間のこと。その根底に沈殿しているのが、この世界の全てに対する、絶望と失望、そしてもはや殺意と大差ないほどの諦念だ。
思えば彼女は天使を患っていて、愚かな俺はその意味を誤解していた。彼女の虚しい優しさを、どこまでも崇拝していた。それは間違いなく、彼女の絶望をも肯定してしまうような心情で。
だけど、無事堕天を果たした彼女は、勢い余って俺までも救ってしまったのだ。上手に生きれもしなければ、だからといって一思いに死ぬことも出来なかった俺を。人生という概念を遥か彼方へとぶん投げて、なんならバラバラに引き裂き、燃えるゴミにでも出して
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