第4話 デスゲームの運営だって絡まれる②
「呼び出した理由はわかりますよね?」
「さぁ?」
こんな男と噂でも立つと嫌なので、また私の領域に呼び込んだ。こんな事で女神パワーをあまり使いたくないが気になったのだから仕方ない。
「一体どんなイカサマ使ったんですか?何かを仕込む暇も無ければ、そもそも何かした様子もありませんでしたし」
「あー、実物を飲んでみたらどうかな? 私ももう少し飲みたい」
コイツ本当に。あー!もう!!用意してやりますよ!!
まったく同じ物を生成する。酒の生成なんて前いつやったかなんて覚えていない。
さてどんな酒だ。依代の私は安物しか飲まないからまったく想像がつかない。
「ガッ!?ケホッケホッ!!」
なんだこれ なんだこれ! なんだこれ!! なんだこれ!!!!
すっごく強いし、とても
「おそらく遠い地で産まれ運ばれてきた貴重な酒なのだろう。だからそれ相応に高いし強い」
こんなのを表情変えずにグビグビ飲んでたのかこの男。うあぁ気持ち悪い。水
「まぁ結論を言ってしまえばイカサマなどしていない。せいぜいペースをコチラが握っていたくらいだ。まぁこれだけ強い酒を飲み比べしたらそのペースも影響しそうではあるがな」
「はぁはぁ、じゃあウォーレンさんが既に結構出来上がっていたから真っ向勝負でも勝てると踏んだというわけですか」
ウォーレンさんは見た目に反して堅実な冒険者だ。だからこそ日頃溜まったものもあっただろう。そこにお酒で気が大きくなってしまっての絡み酒。そんな状態で強い酒なんて飲んだらあっという間に潰れてしまうわけだ。
「あー、まずその前提が間違っているぞ」
「前提?」
まだクラクラする。神を酔わせるとはなんてお酒だ。
「私はなるべく良い酒が飲めれば、勝とうが負けようがどうでも良かった」
「は?」
え?え?え?何を言ってるんだコイツは??
「いやなに、様々な苦難を乗り越えた少年を見届けたのだ。酒の1つや2つ欲しくなるというものだ」
「もしかして、ただ飲みたかっただけですか?」
「そうだ。感謝するぞウォーレン氏よ」
まだ飲んでるし。コイツ本当に。
「でもその身体がお酒に強いとは限らないですよね。もし1発でダウンとかしたらどうするつもりだったんですか。鉱山労働、とてもしんどいんですよ?」
「その時はその時だな。何、大勢の人間を弄んでいたんだ。その報いとして過酷な労働というのもありなんじゃないか? まだその時ではなかったようだが」
15年前なので記憶が曖昧だが、コイツはやろうと思えば銃を構え合わずに先に撃つことが出来たはずだ。それを自分の愉悦のためだけにあの子を迎い入れて対峙したのだ。それで撃たれてざまぁみろ!と思ったら何か前世を取り戻すし。
異世界転生したデスゲームの運営さん そうえん @souennkk
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