フィクションと切り捨てられない──これは、小説か?それとも、今の日本か
- ★★★ Excellent!!!
国を覆う影は静かに広がり、人々は気づかぬまま監視と支配に縛られていく。
妹を救うため、主人公は反旗を掲げる者たち「灰翼」と出会い、己の正義と向き合うことを余儀なくされる。
声は嘲笑され、真実は歪められる。
──それでも、人を動かすのは人。
国を変える力は、無力に見える一人ひとりの手に宿る。
──それでも、目を逸らすのか。
国を憂う前に、手元にある一票には力が宿されている。
物語を読み進めるうちに、その事実が胸の奥で静かに灯りとなり、歩む力へと変わっていく。
血の通う「正義」を問いかけ、静かに奮い立たせる物語。