フィクションと切り捨てられない──これは、小説か?それとも、今の日本か

 国を覆う影は静かに広がり、人々は気づかぬまま監視と支配に縛られていく。

 妹を救うため、主人公は反旗を掲げる者たち「灰翼」と出会い、己の正義と向き合うことを余儀なくされる。


 声は嘲笑され、真実は歪められる。

 ──それでも、人を動かすのは人。

 国を変える力は、無力に見える一人ひとりの手に宿る。

 ──それでも、目を逸らすのか。


 国を憂う前に、手元にある一票には力が宿されている。

 物語を読み進めるうちに、その事実が胸の奥で静かに灯りとなり、歩む力へと変わっていく。

 血の通う「正義」を問いかけ、静かに奮い立たせる物語。

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