ああ、これはすごい作品です。本当に素晴らしいです。
魂を揺さぶられるというか、ガッチリつかまれて身動きが取れません。
閉鎖的な田舎から抜け出し、ようやく居場所を見つけた主人公が、どんどん深く引き込まれていく、心地よい地獄のような泥沼。次第に麻痺する社会通念と倫理観。
そして皆が死に絶えた最後の最後に、焼け野原に立つ自身の姿を上から見るように、ようやく本来の姿を思い出すに至ります。
彼女に魂の救済はあったのか。その余韻を残したまま、物語は幕を閉じるのです。
こういう作品が気軽に読めるんですからWEB小説の世界は深く広いですね。
わたくしもいいものを書きたいと、本当に刺激になりました。
読みながらあったか漫画クラブのモデルについて考えた。
連合赤軍? それともオウム真理教?
あるいはキャンパスに大勢たむろしていた政治サークル?
主人公の女子大生がリアルだった。
田舎から出てきたまじめな子で、悪意などかけらもない。
なのに褒め合い(褒め愛)を旨とするあったか漫画クラブに魅入られた結果、彼女の善性はとてつもない方向に舵を切る……
カクヨム史上に残ると断言していい傑作です。
すぐ読める短編ですが、その読後感は長く尾を引くでしょう。
オウム真理教の多くの信者と同世代の人間として、元女子大生の最後の述懐が胸に刺さりました。
もっと多くの人に読んでほしい大傑作です。