17 三年生・四月
ラルヴァは麻路を連れ戻した後、その役目を終えて再度、封印された。
今度こそ本当の成仏だ。バイバイ、もう二度と呼び出されるなよ。……。
季節は巡って春。桜の散った学校は、新入生の子が入って初々しい雰囲気が漂っている。
昼休みに、中庭のベンチに座っていたあたしの視界に銀色が差した。
麻路がいた。
「お待たせ、碧子」
「麻路! えへへ、待ってたよ」
あたしたちは心の底から言い交わし、。笑い合う。
それは誰かに見せるためじゃない、あたしたち自身が望んで得た大切なひとときだった。
幽霊たちのお気に召すまま 城井映 @WeisseFly
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