……よくは、知りませんけど。
違うんですよ。聞いてください。
そういう釈然としない話なんです。
本作は、感性の抑圧とか教養の話なのです。
橘さんという方。いつもの彼は洗練された語句で紡がれる巧緻な文章を書かれるのです。
であるのに、たまに卑近な例を混ぜる傾向がある。そんな方でもあるのです。
そもそも、誰がどういう理由でエロ漫画を嗜もうと個人の自由ですし、余人には嗜む理由なんて分からないですからね。
知らないという他はないわけです。
本作を、とてもざっくり言うと。
橘さんの御友人のKさんという方は、感性の発露に対して優しくない環境に長くいたので、ある時突然エロ漫画に耽りだしたのだそうです。そういう物語です。
でも安心してください。
本作に詳しいエロ漫画の描写は無いです。
ねとねと無しです。
エロ漫画という概念の話をしています。
あくまで大凡の話です。
本作は、なんだか煙にまかれるような気分の奇譚なのです。
ただし、本作も紛うことなく橘さんの作品。
すこぶる良い文です。
表現する対象が多岐にわたる橘さんの作品世界。
あなたも触れてみてはいかがでしょうか。