最終話:カムフラージュ。
「実は僕も君に謝らなきゃいけないことがあるんだ」
「君と出会った最初の日、僕が君に声をかけたのは、本当は失恋したから
なんだ・・・」
「失恋?・・・分かるよ・・・失恋って言葉は・・・」
「相手は年上の人でね、僕は彼女にフラれたんだ・・・・」
「それで、僕はやけになってた・・・やけになって街を彷徨った」
「で、そこに君がいた・・・」
「ほんとにごめん・・・俺って最低だよね、君を利用してたんだ」
「そうなんだ、それが私をナンパした理由?」
「そう・・・それが最初の理由?・・・君を傷つけちゃったね」
「ごめんね・・・君を利用しようとして」
「だけど、今は違うよ」
「分かってる・・・でも」
「でも、北斗君は、失恋してもっと傷ついたんだよね」
「その時は自分を慰めるために、軽い気持ちでライラを誘ったけど
今は君のことが大好きだ」
「君のおかげで、年上の人のことを忘れることかもできたし」
「こんな最低な俺、許してもらえないよね」
「いい、許してあげる・・・誰だって辛い時は誰かに頼りたい時ってあるもん」
「北斗君の役に立つために、私はあそこに立ってたんだと思えば許せるよ」
「俺を責めないの?」
「責めたりしないよ」
「お互い様・・・ふたりとも隠してたことがあったんだもんね」
「それより、私の姿見ても驚かないの?キラいになったりしないの?」
「嫌いになるどころか・・・」
「いいと思う・・・ライラはイケてる・・」
「地球のどんな女の子より、ずっとファッショナブルだよ」
「人間に化けてる時より、そのほうがずっといい」
「ほんとの姿になっても俺はライラが好きだ」
「それに俺、SF好きだし・・・SF映画の中に君みたいな異星人がでてくるんだよ」
「映画の中のキャラといっしょにしないで」
「私は作り物じゃなくて、ちゃんと生きてるんだよ」
「そうだよね、そういう意味じゃ地球人も異星人も関係ないね・・・宇宙はひとつ」
「異星人を好きになっちゃいけないなんて法律はないもんな」
「今んところ・・・・」
「じゃ〜私でいいんだね」
「あとで地球の女がよかった〜なんて言っても遅いよ」
「そんなことクチが裂けたって言わない」
「きっとこれ聞いたら、ウラが意味とが、びっくりすると思うよ」
「分かった・・・別れるって話は遠い銀河の果てに捨てちゃおう」
「でも、これから大変だよ・・・ウラが言ってた・・・私たちの恋はスキャンダルだって言って・・・。」
「そうだね、このことがバレたら、みんなどんな顔するだろうね」
「俺はいいけど・・・君に迷惑かけると思うとちょっと心配かな・・・」
「私だって平気」
「ふたり一緒なら、どんな困難でも乗り越えられる自信あるもん」
「しばらくでいいからさ、できたら地球人のライラでいてくれる?」
「もし、俺たちが付き合ってることがバレたうえに君が異星人だなんて知れたら、
二重で大スキャンダルになるからね」
「分かった、カムフラージュしておくね」
一時はどうなるかと思った私たちだけどなんとなく、北斗君とは丸く収まった
気がするの。
でも北斗君が言ったように、これからが大変だと思うんだよね。
私たちの関係が世の中にバレたら北斗君はアイドルをやめる気でいるみたい。
私が北斗君と別れたら、それで済む問題かもしれないけど、
たとえ別れたとしても、たとえふたりの関係がバレなかったとしても この
スキャンダルは一生、ふたりで背負っていくことになると思うの。
それでも私はかまわない・・・北斗君といられたら・・・。
こうして私と北斗君は、将来を誓い合って固く結ばれていくことになるんです。
私たちの関係がバレたかどうかは、ここでは話しません。
だけどいつかは北斗君もアイドルを続けていられなくなる時が来る。
運命の神様がいい風を運んでくれたことを祈っていてください。
もし私が、もしね・・・もし私が、北斗君と結婚したら地球人と異星人の
ハーフがはじめて生まれるかもしれないでしょ?。
それって前代未聞の出来事だよね。
それこそカムフラージュしなきゃって思わない?。
じゃ〜さよなら。
カムフラージュ。〜星を超えた恋〜 猫の尻尾 @amanotenshi
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