「あなたのために」

訳ありなお客様のためのドレスを、今日も妖精と作りましょう――どうですか、これだけでわくわくしませんか。
これは、開国後間もない日本。異国のものが入ってきた、流れるように変わっていく一瞬の時代の物語である。
まだ、異国の人間への視線は厳しく、けれど異国の文化には追いつこうとしている時代。きらびやかなドレスは誰と誰のえにしを結ぶのか。

紗良のところにマーガレットが持ち込むのは、ドレスの依頼。けれどそれはただの依頼とは少し違う。
妖精と作ったドレスは訳ありなお客様の『訳』を解決する、きらきらで優しい一品です。
読み終えたら「ああ、素敵だな」と思うこと間違いなしです。
「あなたのために」は誰から誰へ。
ぜひ、ご一読ください。