トリちゃんの御礼参り

天照うた @詩だった人

本編

 わたしには大好きなキャラクターがいる。


 それは、ネット界を天下無双中の小説投稿サイト、カクヨムの公式キャラクター。

 『トリ』である。


 この物語は、ある日わたしに起こった、不思議な出来事のお話。


◇◆◇


 季節は、春。

 寝るのが大好きなわたしにとって、とっても嬉しい季節である。


 今日の朝も、10時間睡眠を目指して8時ころまで布団にくるまっていたわたし。

 起きた瞬間、わたしの目に飛び込んできたのは、いつもの天井ではなく――



「……トリ?」



 いやいや、そんなわけない。

 寝ぼけているわたしには幻覚が見えてしまったようだ。


 まさかまさか。トリちゃんが見えちゃってるとか――ねぇ?


 もう一度布団の中に潜って、頭を出した。

 そこには、変わらぬトリ――いや、ダンスを踊っているトリがいた!


 こっ、これはまさしく――!



「『トリの降臨』だぁっ!」


「!?!? 誰だっ!?」


 KAC2025の賞である、「トリの降臨賞」!! まさしく、それそのままではないか!


 ……ってか、え?



「トリちゃんがしゃべったぁ!?!?」

「お主、我をなんだと心得ておったよ!?!?」



 ……トリちゃんが! しゃべってるぅ!?

 え、これは幻覚? それとも……。


 わたしは、手を出してトリちゃんの頭をもふもふする。

 ――嗚呼。めっちゃもふもふだよ。なにこれめっちゃ可愛い。



「ありがとう、トリちゃん。わたし、もう人生に悔いないよ」

「…………」



 トリちゃんは、わたしを哀れだとでも言うような冷たい目で見つめてくる。



「お主、カクヨムユーザーだな?」

「うん、もちろん!」



 わたしがそうやって笑顔で答えると、トリは無言でぺこっと頭を下げた。



「……急にどうしたの?」

「いや。カクヨムがここまで天下無双できているのはお主らのおかげじゃからな。お礼ぐらいは言っとかなきゃだめじゃろ?」



 ……なるほど。これは、トリちゃんのお礼参りってこと?


 それにしても可愛いと思う。本当に。



「いつもカクヨムはみんなに支えられてるんじゃ。ありがとうな」



 そう言うトリちゃんの笑顔がいつになく幸せに見えた。

 この笑顔を守っていきたい。そう思う。


 ……でも、一個突っ込ませて欲しい。



「……じゃあ、なんでさっきダンス踊ってたのかな?」



 そう突っ込むと、トリちゃんは気まずそうに目を逸らす。



「……えっと、推しの作品の続きが更新されちょって。続きが、面白かったから……」



 真っ赤になって、恥ずかしそうに言い訳を始めるトリちゃんが本当に微笑ましい。

 ……でも、この子は天下のカクヨム様の、あのトリちゃんなんだよなぁ。

 なんだか、実感はわかないけれど、ね。



「っと、とにかくっ! これからもカクヨムをよろしくなっ!」


「はーいっ!」



 わたしが手を上げて答えると、トリちゃんは満足そうに頷いて、窓へと飛び立っていこうとした――


 が。



 ドンっ!!!


「な、なんじゃこの透明な壁!?!?」



 窓ガラスに当たって、布団に転げていた。



「あははははははは!!!」



 いつの間にか、わたしの口からは笑いが漏れた。

 その声の中に、トリちゃんの声があったのはきっと気のせいじゃないよね。



 ――これからも、作品作り頑張るぞ!

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