天下無双のダンス少女、...休日は布団でだらしない...

楽(がく)

(・ω・`)

アメリカに入学...?

第1話 天下無双、ダンス、布団

俺、内藤すばる(ないとうすばる)には幼馴染が居る。

美少女の平田なな(ひらたなな)という少女だ。

まあ滅茶苦茶な美少女なのだが。


文武両道が凄く...美人。

つまり全くの非の打ち所がないダンス部の部長。

日本一の勝利を果たした天下無双の...女子だった。

その女子だが...休日となると...スッゲーだらしないんだが...。



「スゥバァルゥ」

「またかよ...お前...俺の家に居候するなって言ってんのに...」


甘えが今日は酷い。

成績が真逆で中途半端な俺。

体育の成績もイマイチな感じのそんな俺の家にななは何故か居座る。

いつも休日になって暇な時に居座っているのだ。


俺はその姿に苦笑いを浮かべながら盛大に溜息を吐く。

いつもの凛とした姿とは乖離がありすぎるTシャツに縞パンツ姿。

有り得ないぐらいのだらしない格好。

パンツ姿って...女子高生なのに...。


「お前な...良い加減にしろ。...俺は8年間お前を見たが...もうパンツ姿だけは止めろガチで」

「何で?見ても減るもんじゃないでしょうに」

「そういう問題じゃねーのよ。...男子の前でその格好だぞ?あのな。日本全国でダンスに励んでる奴らに謝れ」

「何でぇ」

「...」


俺にしか見せない姿ってのは良い。

だけどなこんなにだらしないと流石に俺も怒る。

そう思いながらいつも通り朝食を作る。


それから提供した。

するとノソノソと起き上がりながらななは俺の作った朝食を食べようとする。

それも寝転がったままで。

行儀が悪い。


「なな。取り敢えずズボン履いて。座って」

「いやぁ」

「お前な!!!!!低学年の女児か!!!!!」

「いやぁ...」


全くコイツは。

そう思いながら見ていると「こんな日が楽しいのぉ」とななはプクッと頬を膨らませながらズボンを履く。

それからダンスをする時はかけてない眼鏡をかけながら椅子に腰掛ける。


「いただきます」

「いただきます」


それから俺は食べ始めるとなながこんな事を言い出した。

「でも高校を卒業したら私、今の状態から消えるからぁ」と。

俺はズキッと心が痛む。

今は高校3年生の3月2日である。

あと何日かして高校卒業後。

コイツはダンスを極める為にアメリカに行く。


「...アメリカの事は調べたのか」

「そうだね。色々」

「そうか...お前、ダンス本当に好きだもんな」

「そうだねぇ」


ダンスの本場の場所に行きたいってのがコイツだった。

まあでもアメリカが一番行きたいからってアメリカに行く事になった。

天下無双のダンサーが。

リビングに布団を置いて情けない女の子が。

一気に成長した気分だった。


「...なな」

「...うん?なにぃ?」

「俺さ。...お前が...」


家に電話がかかってきた。

勧誘電話。

その思いはかき消されてしまった。

というか盛り上がりが冷めた。

クソッタレ。

いつもいつも邪魔が入る。



俺はななと居て心地良い部分がある。

だからななに遠くに行って欲しくない...強欲な気持ちがある。

だけどダンスを極めるには。

そう思いながら俺はブレイクダンスを極めたいというななの。

その気持ちを最優先にした。


だが。



3月9日。

この日、俺は県立の学舎を後にした。

俺は学舎を後にしてから体育館に向かう。

するとそこでブレイクダンスをしている凛とした感じのななが居た。

卒業しても変わらない。


「なな。もう俺ら卒業したんだぞ。この場所に入れない」

「うん。...そうだね。だけど最後にって思って」

「...」

「...ねえ。すばる」

「ん?」

「何か言いたいことがあるんじゃないの」

「言いたい事?」

「そう。何か言いたそう」


俺はドキッとしながら、ななにその気持ちは、と思っていると。

ななが「私ね。ブレイクダンス...っていうかアメリカ行きは辞めたの」と言う。

は?...は?


「は!!!!?」

「...私の気持ちに嘘は吐けないなって思って。散々悩んだ」

「...どういう事だ。...お前の将来に...」

「私、すばるが好きなの。すばるが私を好きな様に」

「な」


まさかの言葉に俺は「え?」と固まる。

それからブレイクダンスで流した汗をタオルで拭いながら俺をゆっくりそのまま抱きしめるなな。

そして俺の唇にキスをした。

俺は「!!!!?」と硬直する。


「えへへ。色々と卒業だね。内緒だよ。2人の」

「...なな...俺は...」

「うんうん。だけどすばるのせいじゃないからね?こうなったの」

「...」

「大好きだよ。すばる」


それから俺はななを見ながら「...」となる。

「実際、ここ最近だらしがなかったのはアピールのつもりだったんだぁ」というななを見ながら苦笑した。

全く...コイツめ。

幸せにしてやるから覚悟しろ。


fin

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天下無双のダンス少女、...休日は布団でだらしない... 楽(がく) @tanakasaburou

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