誰でも名前を日本中に広める方法
アカシア
第1話目立つならこれでしょ
もし今、2025年4月7日午前7時31分から38分の間の中、日本で一番有名になったのは俺こと
誰しも高校生デビューはドキドキすると思う。
俺も高校生になったばかりの頃は全てにおいて新鮮すぎで飽きることがなかった
徒歩通学から電車登校。
電車の中で風景を見ながら英単語帳を広げて勉強。
俺も憧れて、駅から電車に乗って壁にもたれかかった瞬間から鞄の中から英単語帳を開いてあの頃までは勉強をしていた。
だけど今では外をぼーっと眺めるだけ。
緑など一切ないほとんど同じ色の家ばかりが右から左えと移動していくのを眺めるだけ。
いつも通り何も起こる雰囲気もなく駅までつく予定だったのだが……
「るっせんだよぉ!」
「す、すいません……」
「ぎゃー、ぎゃー」
どこの駅から乗ったのかは知らないが、金髪に耳のそんなところに穴開ける?と疑問に思うような位置にピアスを幾つもつけているヤンキーが、泣いている赤ちゃんを抱っこしている女性にうるさいと文句をつけていたようだった。
怖、朝からこんなヤンキーが居るとか聞いてないんだけど……せっかく今日は俺が日本中に俺の名が知られる神聖な日なのに……
俺含めて、サラリーマンや高校生デビューな少年少女達は軽蔑している視線を送っていた中。
「そこまで言わなくていいじゃない!」
席から立ち上り、一人の女子高校生が美しい銀髪を靡かせながらヤンキーの前に立った。
「あぁ゛」
「っっっ……!」
足が震えてる、怖いんだろうな。
『勇気を出して立ち上がったものの』と言ったところだろうか?
少女はヤンキーの前に立ったのは良いが強めの言葉と怖いオーラの前に足が震えてしまっていた。
普段の俺だったら面倒事に絡まれたくないのでチラッとだけ見てそのまま単語帳に視線を下ろしていたのだろう。
だけど、今日だけは違った。
多分俺は彼女に一目惚れしたんだと思う。
普段あまり髪の毛の手入れをしない俺の目からでもわかるように、髪の手入れにお金を沢山かけているんだろうというのが何となく分かるほどに、髪の毛の艶が他の女性よりあり、癖一つないストレートのロングヘアーは白銀の女神だと思ってしまった。
だが、そんな彼女にヤンキーは手を出してしまった。
かわいらしい悲鳴を上げながら電車内で横たわる彼女。
もう一発が来そうなとき、彼女の前には俺と同じ高校の陽キャ代表がそこに立っていた。
なにか言い合いをしているそうだが、最終的にヤンキーは暴力の道に進んでしまい殴りかかってきていたが俺からしたら一生…今後も関わることのないあいつはすんでのところで避けてカウンターの一撃でヤンキーを沈めた。
それでも動こうとしていたヤンキーを見て周りのサラリーマン達は流石にやばいと思ったのか普段だったら動かないのはずなのに体が勝手にのような感じでヤンキーを抑え、女子高生たちが銀髪髪の彼女の背中や慰めの言葉を語りかけ気持ちを落ち着かせようとしていた。
「……この人たちは同じ結末を迎えるのか」
こいつらの人生の結末を握っているのが俺という優越感に近い謎の感情で胸がいっぱいになった。
俺の初恋の人も俺の手で葬るのを考えるともう少しだけ速く会っていたら俺の人生にかかっていた靄は晴れたのかもしれないな。
誰も俺に話して来ない教室
クラスラインでも発言権のない俺
誰もペアになってくれない俺
別に小学校と中学校でもボッチだったから別になんとも思わなかった、だけど先生と親だけは俺のことを認知していてほしかった
俺だけ余っているのに授業が進んでいく苦痛。
俺が先生に話しかけても反応してくれない苦痛。
ご飯も用意してくれない苦痛。
テストで良い点をとっても褒めてくれない苦痛。
だけど、そんな先生でもこの日を境に俺の名前が頭から離れることはないと思う。
俺は普段と同じような足取りで1両目まで来た。
絶好の機会を神様が恵んでくれたみたいで、席は殆どが空席でほんの少しだけ座っている人も全員が爆睡をかましていた。
こんな絶好の機会はないと思った、だから俺はかばんの中から例の物を取り出して操縦室に入った。
運転手は電車の運転に集中しているのか俺が操縦室があるエリアのドアを飛び越える際の着地音も耳に入っていないようで、真剣な眼差しで前だけを見ていた。
あの瞳に幸せという成分が入っている事にイラダチを覚えた。
操縦室のドアについてある窓を蹴りで割り、破片が操縦室に散らばり何が起こったのかわからないというよな顔でこちらを見つめていた。
人間驚いている状態では自分の本来の力を発揮できない、だから俺のようなガリでも包丁という武器があれば大人の力を持ってしても殺せるだろう。
「これで俺の名は世界に知られる!!
フハハハ」
後は簡単な作業ゲー。
速度を最大まで上げカーブが来ても速度を落とさないだけ。
この後の予定を復習しながら鼻歌を歌った。
外から邪魔者の声が聞こえてくるが包丁を持っているせいか向かってくることがなかった。
先ほどうるさいと言われた赤ちゃんを担いだ女性の絶望顔。
そんな顔は俺に快感を覚えた。
眼の前にコンクリが現れると車内は罵詈雑言の嵐。
そしてついにその時が訪れた。
痛かった、だけどこれで多数の人間を殺すことに成功し俺は虐殺犯としてニュースにでかでかと報道されるだろう、それと同時に全国民の脳内に
俺の目的は成功を収めた
誰でも名前を日本中に広める方法 アカシア @akashia5773
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