第4話 エピローグ


 それから数日後、健太と夏希は再びあの公園を訪れた。二人はブランコに座り、穏やかな風を感じながら話をしていた。


「健太、これからどうするの?」


 夏希が尋ねると、健太は少し考えた後に答えた。


「まずは、今を大切にするよ。君と一緒に過ごす時間をね。」


 夏希は微笑み、白い花を健太に手渡した。


「それなら、私も一緒にいるよ。ずっと。」


 二人は笑い合いながら、春の風に包まれていた。健太の記憶は完全には戻らないかもしれない。それでも、彼には確かに今があり、未来がある。そして、その隣には夏希がいる。


 それだけで、十分だった。

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記憶の破片と白い花【KAC20254 あの夢を見たのは、これで9回目だった。】 えもやん @asahi0124

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