リングの妖精【KAC20255 および全部載せ】
愛田 猛
リングの妖精 【KAC2025 全部載せ】
リングの妖精
あの夢を見たのは、これで9回目だった。」
目の前に、赤黒の派手で邪悪なペイントをした大女が立ちはだかり、私をぎろりと睨む。
どうしよう、と思った時にはもうその大女、バレル樽井の大きな体に私は押しつぶされていた。
そこで私の意識は飛び、気が付けば全身びっしょり寝汗をかいた状態で、布団の中で目が覚める。
(今日も、3カウントすら聞けずに意識が飛んじゃった。あの時とまったく同じね。)
私は思う。
あの時というのは、今年も三月のひなまつりの時期に開かれた「女流天下無双トーナメント」の一回戦のことだ
そのトーナメントは、女子プロレス各団体がそれぞれ選手を出して行うトーナメント戦だ。
今年は8団体が参加し、各2名が出場した。
私の所属する団体は、うちのスター選手であるフェニックス横山先輩と、内部のくじ引きでフェアリー小松こと私、小松崎青海が選ばれた。
私は背も高くないし、肉もそれほどついていない。公称で154cm, 45kgだ。
実際は42kgくらいで、下手をすると40kgを切るという、ダイエットしている女子からは羨望の的だろう。そしてプロレスラーには極めて不向きな体形だ。
こんな私が「リングの妖精 フェアリー小松」などというリングネームで女子プロレスを始めたきっかけは、高校一年のとき友達に誘われて見に行った女子プロレスの興行だった。
虹の七色(赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)に加え、金、銀、白、黒、灰色の十二色の羽を付けたコスチュームに身を包んだ美しい女子プロレスラー、フェニックス横山を見たからだ。
音楽がかかり、スモークが会場を包む。 スモークが消えると、リングポストの上に美しい衣装の彼女が立っていた。
そして音楽が終わったところで彼女はリングに飛び降りる。まさに十二色のトリの降臨だ。
試合では、苦しみながらもヒール(悪役)の選手を綺麗に3カウントフォール勝ちしてみせた。
綺麗でカッコいい。私は団体の追っかけになり、気づいたら高校卒業と同時に入門していた。
あこがれのフェニックス横山先輩のようになりたい!その一心で入門し、最初は受け身ばかりの毎日つらい練習にも耐えた。
そして半年後、私は「リングの妖精 フェアリー小松」というリングネームをもらい、リングに立つことになる。
プロレス団体というのは普通の人には理解しにくいものだろう。
基本的に興行は団体内で行う。
だから、一緒に練習する先輩や後輩と興行先へ出向き、みんなで協力してリングを設置し、リングポストを立てて、ロープを張る。
会場の椅子もみんなで並べる。
呼び込みやチケットのもぎりも団員が手分けして行う。音響や舞台効果は、一応スタッフか外部に頼むが、予算が厳しいのでだいたいは選手の身内がやる。
興行の最初に、うちの団体は出場メンバーでダンスパフォーマンスをする。
仲良く息の合ったところ見せ、また個人のソロパートではそれぞれの個性も見せる。
私も、羽のついた妖精のコスチュームを身にまとって踊る。ソロパートでは、先に星のついたスティック(子供のおもちゃ)を振るという演出がある。
こんな感じで、息ぴったりで仲良くしているようだが、結局は団員どうしで戦うのだ。
相撲部屋はヘナ内部での取り組みは基本的にないが、プロレスは内部での対戦が基本だ。
プロレスの試合には「お作法」がある。
ちゃんと、お互いに見せ場を作る必要がある。
弱い私でも、得意技を相手にぶつけることができる。 相手がそれを待っていてくれるからだ。
だいたいは新人の私が先に技を出させてもらう。身の軽さを利用した、回転しながら蹴るローリングソバットや、ロープの反動を使ったドロップキックなどだ。
先輩たちはある程度ダメージがきいた振りををしてくれるが、正直なところ、私の体重ではあまりダメージを与えられない。
その後はだいたい先輩に一方的にやられる。
うちの団体では、試合の勝敗は事前に決まっていない。
お互いに相手を倒すつもりでやるのだ。
試合の三日前に先輩がおかずをくれても、先輩に手加減をすることはない。…まあ、まだ私はとるに足らない存在だから。
ただ、正直人気はだけはちょっとある。
最近、私が出てくると、少女たちの黄色い声が上がる。
そのせいで、先輩たちにひどくやられるのかもしれない。
「フェアリーが居てくれるおかげで、動員は増えるし、こっちも勝てる試合が増えるし、いいことずくめよね。」
などと言われる。
ひどいときには「うちの団体のハルウララ」とか言われた。
意味がわからず調べてみたら、連敗を続けた競馬の馬だった。
そこまでひどくはないと思いたい。
若手どうしでは勝つこともあるんだよ。
話がだいぶそれた。
ひなまつりの時期に開催さあれる「女流天下無双トーナメント」。
くじ引きで私も参加することになってしまった。
一回戦は、体重100キロのヒール(悪役)、バレル樽井が相手だ。
試合前の紹介で、私は天使の棒を持って踊り、バレルは竹刀を持って床を叩いていた。
顔も怖いし、竹刀も怖い。
まあ私ごときに反則負け覚悟の凶器なんか使わないだろうけど。
リングに立ってわかる。もう、差は歴然だ。
背丈はあまり変わらないが、体重差二倍以上。 もう、正直アリと象みたいなものだ。
私のローリングソバットは平然と受けられ、ドロップキックは足を捕まれた。
そのまま投げられ、何とか起き上がったところの目の前にバレルが立っていた。
そして、夢のシーンになる。
一分かからず3カウント負け。私は失神していたので、負けたことさえ知らなかった。
トーナメントの決勝はバレル樽井対フェニックス横山の黄金カードになり、フェニックス先輩の辛勝。
あこがれのフェニックス先輩が私の敵を討ってくれたことになる
ただ、バレル樽井の強さも際立っていた。身長は先輩より低いが、体重で圧倒する。
まさに力と技のぶつかり合い。 これぞ格闘技の醍醐味と言えるような試合だった。
それはさておき。汗だくで目覚めた私は、のろのろと布団から這い出す。
今日はオフだが、バイトがある。
うちの団体は一応会社組織で私は社員だけど、バイトが許されている。社員の給料では苦しいからだ。
実はうちはSDG運輸とい運送会社のグループ企業になっていて、試合をしてないときはリヤカーで配達業務もやっている。
給料を貰えてトレーニングにもなるので一石二鳥とは言えるが、週二回の配達業務もレスラーの給料に含まれるのだ。
グッズが売れたり、動画配信で稼げたらいいけど、その辺もうちの団体で稼げているのはせいぜいフェニックス先輩くらいだ。
この少ないお金でやりくりし、コスチュームを作らないといけない。衣装は自前なのだ。
水着やレオタード、シングレットなど人によりコスチュームの材料は様々だ。
ただ、ちゃんと補強する必要がある。戦っているときに大事なところが見えてしまったら大変だから。
そのため、針仕事の能力はほぼ必須だ。 私は刺繍とかも好きだったので針仕事は苦ではない。でもそうでない人は大変だ。
私も先輩に頼まれて針仕事をしたことが何度かある。対価はいろいろだ。食事だったり、お菓子だったり。
お互いの懐事情はわかっているので、あまり法外な要求はできないのだ。
私のアルバイトは、池袋の乙女ロードの外れの百合カフェだ。
皆セーラー服を着て、お姉さま、妹になって演技的な会話をしながら接客する。
「爽香お姉さま。お客様のお世話はもちろん大事ですが、杏奈のことも見てくださいませ。」
とか
「私のいうことを聞かない、悪い子猫の奈美のこと、後でたっぷり可愛がってあげますわ。」とか
よくわからない思わせぶりな会話をしながら従業員同士でスキンシップをする。
もちろん従業員は全部若い女性だ。
私は童顔なので、すでに21歳なのに、セーラー服を着た新入生の役だ。
17歳のバイトの子に対して「お姉さま」と甘える21歳。考えてみればなかなかシュールな光景だ。
まあ私は単発バイトなので、ミスっても許される新入生役はありがたい。
シフトを終えて取っ払いで給料を受け取り、店を出たところで「フェアリーじゃないの。」
と声をかけられた。太っていて、優しい目をしたその女性はニコニコ笑っている。
どこかで見たような顔だ。
「わからないの?よーく見てごらん。」
背の高さ、太りかた、声のトーンなどを考えると、やっと見えてきた。
「もしかしてバレルさんですか?」
そう。天下無双の樽型ヒール、バレル樽井だった。手下げ袋一杯に怪しげな薄い本が沢山入っている。
「バレルさん、こんな趣味あったんですね。」私は正直にいう。
「まあ、な。ちょうどいい。晩飯付き合え。」
バレルさんは、私を執事喫茶「飛燕」に連れて行った。
かなり高級な執事喫茶だ。
入るといきなり、
「お嬢様方、お帰りなさいませ。」
と声がする。
そして、ひときわイケメンの男性が来ると、「麗華お嬢様、こちらへどうぞ。」
そう言ってうやうやしく礼をし、奥のほうへ案内してくれる。
「あの…」私はわけがわからない。
バレルさんは優しく笑っていう。
「本名、桜坂麗華よ。よろしくね。」
私は緊張しながら答える。
「あ、あの、小松崎青海(あおみ)です。よろしくお願いします。」
「じゃあ、今日は麗華と青海でいきましょう。青海ちゃん、最近どう?」
リングの上のあの凶悪な姿からは想像もできない。
「あ、藤堂。いつものパスタ二人前ね。同じもので。」
バレルさん、いや麗華さんがイケメンに注文する。
「…こちらのお嬢さんも同じものでよろしいので?」
藤堂と呼ばれた執事は戸惑ったように確認する。
「いいのよ。お願い。」
「かしこまりました。」
出てきたのは、4-5人前はあろうかというジャンボミートソーススパゲッティだった。
「食べなよ。体が資本なんだから。今日は私のおごりだよ。」
「あ、ありがとうございます。いただきます。」
私はそう言って食べ始める。 ただ絶望的に量が多い。
普段食べる量を食べ終わっても、量が減らない。
途中でだれかが足しているのではないかと思うくらいだ。
「こんなもんで苦労するようじゃやっていけないわよ。」
バレルさん、いや麗華さんは私に言う。
食べながら、私はいつの間にか涙を流していた。
「その通りです。やっていけないかもしれないんです。」
本音だった。
麗華さんは優しい目で私を見て、言ってくれた。
「よかったら話を聞くよ。」
それから私は、堰を切ったように話し始めた。
フェニックス横山にあこがれてプロレスを始めたこと。
なかなか勝てないのに、フェアリーとか言われて声援を受けること
先輩たちから時々、ちょっと可愛いだけと馬鹿にされること。
強くなりたいけど、やり方もわからないし、もう無理じゃないかと思っていることなと…。
同業で違う団体に属する麗華さんにだからこそ言える本音が次々に飛び出す。
私の涙はずっと止まらなかった。
麗華さんはいう。
「あこがれて入って、それなりに声援を受けるようになった。プロレスラーは人気商売だよ。 どこが問題なんだい?」
「私、いまは実力ないんです。強くなりたいんです。」
泣きながら私は答える。
「昔、あるアイドルは、アルバムのタイトルを『非実力派宣言』ってのにした。歌唱力はないけど、顔はかわいいし足も綺麗。ミニスカートで歌って人気も出た。
彼女は今でも芸能界にいる。そんな生き方もあるんだよ。」
私は答える。
「でも、私は強くなりたいんです。なれないなら、もう辞めたい。先輩や業界にあこがれる時期はもう終わったんです。弱いのに声援だけ受けるのはつらいんです!」
ずっと涙が止まらなかった。
麗華さんは、姿勢を正し、私の目をまっすぐ見て伝えてきた。
「正直にいうよ。青海、あんた今のままじゃ強くなれないよ。」
残酷な言葉だった。
「あんた、顔はいいけどパワーがなさすぎる。正統派で技をかけたって、相手には響かない。
あんたが私にソバット打ったところで、まったく気にならないからね。」
ソバットとは蹴りのことだ。
麗華さんは続ける。
「象とライオンなら勝負になるけど、象とアリでは基本的に勝負にならない。
今のあんたの体格では、そういうことでしかないよ。
来年のひなまつりの『女流天下無双トーナメント』であんたと私が対戦したら、また同じことになるよ。私にのしかかられたら、あんたはどうしようもない。
あんたの体重と体力じゃ、絶対に私を動かせないから。」
正論すぎて、ぐうの音も出ない。
それからも話し続けた。
そうこうしているうちに、決心がついた。
私は、パスタを何とか平らげながら、決心を告げる。
「いいんじゃないの。まあ、自分で決めることよ。頑張んな。応援する。」
麗華さんの目は、あくまで優しかった。
それから少しして、団体から発表があった。
「フェアリー小松、妖精の国に召喚される。」
いつも当団体をご支援いただきありがとうございます。
本日は悲しいお知らせがあります。
3年間当団体で頑張ってきたリングの妖精ことフェアリー小松が、このたび妖精の国に召喚され、帰国することになりました。最終試合は…。」
フェアリー小松の最後の試合は、フェニックス横山先輩が相手だった。結果は、両者リングアウト引き分けで終わった。
実力では絶対に敵わないフェニックス横山先輩が、最後に私に花を持たせてくれたのだ。
これでフェアリー小松の試合はすべて終わりだ。
場が暗くなり、私のテーマ曲、マドンナの「Angel」が流れ出す。
羽をつけ、スティックを持った私は、最後のダンスを踊る。
泣かない。笑顔で天使のダンスを踊る。
普段より長く踊り、曲のアウトロで私は礼をする。
それから引退式になる。
私は最後にリングでマイクを持ち、挨拶した。
「リングの妖精、フェアリー小松は今日を以ってこの世界から消えます。妖精の国から戻ることはないでしょう。
もしかして違う姿で転生するかもしれない、なんて思うけど、それはマンガの読みすぎですね。リングの妖精のこと、覚えていてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。さようなら!」
横山先輩が花束をくれる。 そしてフェアリー小松はプロレス界を永久に去ることになった。
翌年の女流天下無双トーナメントの決勝は、また同じ組み合わせで、今度はバレル樽井がフェニックス横山を破って優勝した。
この二人を倒す者はいないのか?女子プロレス界に君臨する二人は強く、それぞれの団体内、あるいは交流戦でも勝ち続ける。
そして、その翌年。
女流天下無双トーナメントに、デビュー半年の無名の新人が登場した。
とんとん拍子に勝ち上がり、準決勝で何とバレル樽井も破って決勝に進出した。
その女子レスラーの名はタンク海野。。
154cm, 100kg の巨漢、悪魔のようなペイントを顔に塗った邪悪な外見。コスチュームも黒と紫と赤で、悪魔のようだ。
試合でも、レフェリーが見てないところで反則をする。
そして最後は体重で押しつぶす。
完全なヒール(悪役)だ。
その正体が私、小松崎青海であることを知る者はほぼいない。
私は麗華さん、いやバレル樽井に会ったとき、彼女に聞いた。
「それでもです。どうしたら強くなれますか?」
彼女は少し考えていたが、手帳に挟んだ一枚の写真を見せてくれた。
かわいらしい女子高生だ。スリムで、笑顔がとてもキュートだ。
だがその顔に見覚えがある。
「もしかして、これって…」
「そう。私だよ。勝ちたい一心で、こんな体を作り上げたのさ。
強くなったし、金も稼げる。ついでに男からもモテモさ。」
「え…」
最後の言葉は意外だった。男性になんて縁がなさそうなのに。
「さっきの藤堂。あれ、私の彼氏。」
「えええ~~~~~!」
あまりの事に声を上げてしまった。驚いた藤堂がやってくる。
「お嬢様たち、どうかされましたか?」
藤堂が聞く。
「いや、この子にあんたと私の関係を教えたらびっくりしただけさ。」
麗華さんは笑った。
藤堂はあたりを見回して、人がいないことを確認してから「お嬢さん、このことは内密に。」
と言って顔を赤らめる。何この動物。可愛い!。
「決心がつきました。麗華さん、いえバレル樽井さん。私を弟子にしてください。」
私はそういって頭を下げる。
「強くなるかは自分自身の心がけだ。それと、給料は出せないよ。」
「構いません。弟子にしてください。」
私は、パスタを何とか平らげながら、決心を告げる。
「いいんじゃないの。まあ、自分で決めることよ。頑張んな。応援する。」
麗華さんの目は、あくまで優しかった。
それから一年、私は麗華さんの部屋に居候することになった。初日だけソファーで寝たが、その後は布団をしいて廊下で寝るようになった。同じ部屋でないのは、彼女のいびきがうるさいからだ。
あとたまに、ビジネスホテルに泊まらせてもらった。なぜかって?もちろん藤堂さんが来るからだ。
麗華さんのトレーニング、特に太るためのトレーニングは厳しかった。
特に、食生活。とにかく食べること。毎日お米1升を炊いて二人で食べる。脂身たっぷり豚肉、鶏肉、野菜にお菓子。食べ続けることが大事と言われた。
そして、体重が70キロを越えたあたりから技を作る本格的なトレーニングを加えた。
彼女はいう。「動けるデブになれ。」
体重100キロになった今は言っている意味がよくわかる。
デブでも、反応が早ければそれはパワーだ
相撲取りのぶちかまし、ラグビーのタックル。
「力こそパワーだ!」という筋肉タレントの言葉にうなずく。
体重差は、ぶつかったときその三倍のパワーで効いてくるのだという。
私は90キロで、麗華、いやバレルさんの団体にデビュー。
あっという間に先輩たちをなぎ倒し、天下無双トーナメントに出ることになった。
私の武器は重さとパワー。ドロップキックは難しいけど、ロープを使った正面からの体当たりは効果的だ。また、太い足でのローリングソバットも相手にダメージを与える。
もちろん最大の武器は体重での押しつぶしの3カウントだ。
今回はそれで師匠のバレル樽井さえ破り、決勝に出た。
決勝はやはりフェニックス横田先輩だ。
試合が始まり、先輩の技に翻弄されながらも、何とか耐えてかわす。
先輩の動きはよく知っている。 だから、動きの予測がある程度できるのだ。
それに比べ私はたぶんノーマーク。先輩は、バレルさんとの対決を想定していただろう。
タイプは似ているが。私のほうがスピードがある。私は先輩の足を攻め、ふらついたところでロープを使って体当たり。
先輩がバランスを崩す。
そこを逃さず私はそのまま再度とびかかり、体当たりで先輩をリングに押し倒すとそのまま押さえこんで3カウントを取り、フォール勝ちした。
「新しい女王の誕生だ!」実況も興奮して叫ぶ。
私は倒れている先輩に手を伸ばし、起こす。
「青海、強くなったな。これからも頑張れよ。」
先輩がささやく。
気づいてくれたんだ。私は嬉しくなった。
リングの妖精からリングの戦車に変わった私は、これからも強さを追い求める。
そうすることで、今はもう存在しないフェアリー小松も、きっと妖精の国で喜んでくれることだろう。
(完)
リングの妖精【KAC20255 および全部載せ】 愛田 猛 @takaida1
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