星芒の布団、天下無双のダンス《KAC20255》
ひより那
星芒の布団、天下無双のダンス
私は、古文書修復師のミイナ。日々、古文書の解読と修復に明け暮れている。
ある日、私の元に一風変わった依頼が舞い込んだ。それは「ヴォイニッチ手稿」の修復依頼だった。
ヴォイニッチ手稿とは、15世紀に作成されたとされる未解読の古文書。奇妙な文字、不可解な挿絵。その謎めいた内容から「世界で最も難解な書物」とも呼ばれている。
私は、震える手でヴォイニッチ手稿の複製に触れた。羊皮紙の感触、インクの匂い……全てが私を未知の世界へと誘う。
数週間後、私はヴォイニッチ手稿の修復作業中にある異変に気づいた。
……挿絵の人物が……動いている?
最初は目の錯覚だと思った。しかし、何度見ても確かに動いている。特に、私が注目したのは、一連の「ダンス」の挿絵だった。
裸の女性たちが円を描くように踊っている。その周りには、星のような記号が散りばめられ、中央には太陽のような模様が描かれている。
私は、この「ダンス」の挿絵に何か秘密が隠されているのではないかと直感した。すぐに、ヴォイニッチ手稿の研究者たちに連絡を取り意見を求めた。しかし、誰もこの「ダンス」の挿絵について明確な答えを持っていなかった。
ある研究者は「これは、古代の儀式を表しているのではないか」と言った。また、ある研究者は「これは宇宙の法則を表現したものではないか」と言った。
私は、自分自身でこの謎を解き明かす決意をした。そして、ヴォイニッチ手稿の「ダンス」の挿絵を、何度も何度も模写した。そして、その動きを自分でも再現してみた。
最初はぎこちない動きだった。しかし、繰り返すうちに私は、徐々にその動きにある種の法則性があることに気づいた。
……これは、単なるダンスではない。これは、何かを召喚するための儀式なのではないか?
私はそう直感した。ある夜、満月の下でヴォイニッチ手稿の「ダンス」を踊ってみた。
……すると、どうだろう。私の体は宙に浮き光の渦に包まれた。そして、見たこともない世界へと飛ばされたのだ。
そこは、ヴォイニッチ手稿の挿絵そのままの世界だった。奇妙な植物が生い茂り、空には、見たこともない星座が輝いている。
そして、私はそこで一人の男と出会った。「ヴォイニッチ手稿の守護者」と名乗る者と。
「よく来た、選ばれし者よ。お前は、この世界の秘密を解き明かすことができる」
男はヴォイニッチ手稿の真実を語った。それは、かつて、この世界に存在した高度な文明によって作られた魔法の書物だった。
そして『ダンス』の挿絵は、その文明の最も重要な儀式、『星芒の儀』を表していた。
『星芒の儀』は、宇宙のエネルギーをこの世界に呼び込み、世界の調和を保つための儀式だった。しかし、ある時、その儀式は失敗に終わった。
その失敗によって、文明は滅びた。更に続けてこう言った。
「お前は、この儀式を再び成功させなければならない……さもなければ、この世界は……そして、お前の世界も滅びてしまうだろう」
私は男の言葉に恐怖した。しかし、同時に私は自分の使命を悟った。その使命を全うするために、男から「星芒の儀」の全てを学んだ。想像を絶するほどの困難な儀式。何度も失敗し、挫けそうになった。
しかし、その度に私は男の言葉を思い出した。
「諦めるな。お前ならできる」
そして、私はついに「星芒の儀」を完璧に習得した。天下無双の舞姫となったのだ!!
満月の夜、「星芒の儀」を行うために祭壇に立った。そこで、ヴォイニッチ手稿の「ダンス」を踊り始めた。
私の体は光り輝き、宇宙のエネルギーが私の体に流れ込んでくる。その充実感を胸に、疲労とプレッシャーと戦いながら踊り続けた。
そして、ついに儀式は成功した。世界は、光に包まれ新たな調和が生まれたのだ。
その後、元の世界に戻ってきた。そこには踊り遂げた勲章ともいえる痣が残っていた。この痣はヴォイニッチ手稿とつながるためのもの。
夜、床に入るとき「星芒の儀」で使った特別な香草を詰めた布団を使うようになった。その香りは、私を再びあの世界へと誘う。
私は、夜な夜な布団の中で「星芒の儀」の練習を続けた。いつか、再びあの世界に行く日のために。
星芒の布団、天下無双のダンス《KAC20255》 ひより那 @irohas1116
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