子育てにはお金がかかる

西しまこ

高校無償化より、公立の小学校の質を上げて欲しい件について

 色々な小学校があるので、わたしが体験したことが普遍的な事態でないかもしれません。また、一生懸命働いていらっしゃる方もいると分かっています。


 でも、言いたい。

 公立の小学校の教師の質を上げてくれ、と。

 わたしは学校で勉強してくるものだと信じていました。

 長男を小学校に通わせるまでは。

 でも、違いました。

 小学校は楽しく遊ぶところなんです。勉強してくる、と思うと、我慢出来ないあれこれがありすぎて、そんなことを期待しない方がいいと悟りました。


「すみません! カタカナは出来ませんでした」

 懇談会で、そう先生は謝りました。

 時間がなくて、とか言っていますけど、どんぐり拾いは何度も行っていましたよね? え? カタカナ出来なかったって、じゃあそれどうするの?

「家で教えるか、塾に行かせるんだよ。学校に期待しても無駄」

 そう、先輩ママに教えてもらいました。

 えー! って思う方もいるかもしれませんが、その通りなんです。

 漢字もまともに教えられない(書き順を間違える、音読みしか教えない)、サイコロを二つ振って、出た目を足して進む双六遊びが「算数の繰り上げ学習」(繰り上げになる計算はほとんどないですよね?)。


 衝撃です。

 でも、決して担任に意見を述べてはいけないのです。

 先生にいじめられるから。

 わたし、うっかり、意見をさらっと述べたら、子どもがいじめられたので、もう絶対に意見は述べていけないと悟り、息子に謝りました。

 いじめに対する対応も全然駄目だし、子どもが死んでからしか動かないのだと悟りました。死んでも、訴えたりしないと動かないと思いました。でも、死んでからでは遅いじゃないですか。


「子どもは人質だから」

 と、先輩ママは言いました。

 本当にその通りなんです。

 先生にたてついてはいけないのです。いじめられます、先生に。

 机を一人だけ廊下側にやられたり、無視されたり。

 そして、先生は実は、頭のいい子が嫌いです。

「先生、間違ってるよー!」とか言ってはいけないのです。ほんとうに間違えていても。

 

 通知表もひどかったです。

 例えば、「マラソン大会は最後まで一生懸命頑張りました」とか書いてあるんですけどね、うちの息子、マラソン大会休んだんです。きっと、全員同じ文面をワードで作って貼り付けているんですよ。これ、他のママたちも言っていました。「うちの子の内容じゃないことが書いてある」って。

 評価も、一学期は全部100点で〇(◎、〇、△がつく)、三学期はテスト受けておらず、何もやっていなくて〇。ふざけているのかと思いました。


 だからみんな、塾に行かせるです。

 勉強系の習い事は低学年から行かせている家も多く、だいたい高学年になるとほぼ塾に行っていました。中学受験しなくても、高校受験に向けて塾に行くのです。


 そう。

 塾代にお金がかかるんです!

 ものすごく。


 公立高校の学費よりも、塾代の方がかかっていると思う。

 それに、公立の小学校がきちんとしていないから、貧富の差が生まれるのであって、わたしは公立高校の学費無償化よりもまず先に、小学校の質を全国均一に、まともなものにして欲しいと心底思う。

「学校に行けば、その学年の勉強が身につくもの」であって欲しい。

 現状は違います。

 親の努力と知力と財力で差がついています。

 でも、そんなのはおかしいと思うのです。

 何のための公教育なのか。


 塾代がかからない社会であって欲しい。

 その方がずっと、子育てしやすくなる。

 子どもが小学生くらいだと、送迎が必要な場合も多いだろうし、送迎って大変なんですよ。たまの一回やって「たいしたことない」と言わないで欲しい。送迎も疲弊する原因の一つです。


 小学校の先生でも、真面目に一生懸命やっていらっしゃる方もいます。

 分かっています。

 でも、そういう「いい先生」って、学年に一人くらい。

 あとは、「まあ、これくらいなら仕方がないかな」という先生と、「あの先生にあたったら、大変だよね」という先生です。


 不思議です。

 どんなにひどいことをする先生でも、辞めさせられないことか。

 上記の件は管理職も認識していました。

 それに多くの保護者がその先生がいかにひどいか知っています。

 でも、辞めさせることも転任させることも出来ないそうです。

 


 わたしはこころから、まともな公立小学校が全国展開されることを望んでいます。

 高校無償化する方が、政策として簡単なんだよね。

 分かりやすいし、お金をばらまくだけでいいから。

 そうじゃなくて、もっと、根本的なことを変えて欲しいなあと、願っています。



 

         了

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