同じ夢を繰り返し見る。その時に疑うものと言ったら何か。
科学的にはなんらかのトラウマなど「心理的な要員」を疑うのが常でしょう。
ですが、古代や中世くらいまでは「夢」と言ったらある種の超常的なものだと信じられてきました。
夢そのものが吉や凶を占う何かであったり、夢に出てくる人は自分を想っているという話があったり。
そんな話の一環で、「夢魔」という存在がいると囁かれていました。
人の夢に干渉し、精神になんらかの操作をする存在。
本作の主人公である「コトミ」も、どうやらそんな夢魔の干渉を受けてしまったようで。
でも科学を盲信してオカルトをまったく信じないコトミは、何回も続けて同じ夢を見てもまったく動じず、「プラハのような素敵な街並みが見られてラッキー」と能天気なご様子。
友人であるユイからは謎の小箱に「夢魔」由来の文字があり、明らかに危険ではないかと警告されてもまったく聞かず。
この豪胆がコトミさんが、これからどんな運命を辿るのか。
ファンタジックな世界観と、豪胆なコトミさんのキャラクターがとても魅力的で、読んでいて自然と引きこまれます。
前回は妖精さんと遭遇したコトミさん。今回は夢魔で今後もシリーズとして色々なものと出会って行くのかもしれない。今後を見守っていきたいヒロインです。