第2話 ワシ、修行中じゃが腹が減ったんじゃ!
ワシは、シメオン。民に神の教えを説く者じゃ!
今日も民を見下ろしておるぞ。
わらわらと今日も民が来よった。
今日の一人目は何じゃ?
「彼氏に浮気されました!」
何じゃと!ワシ、彼女作っただけで神父に怒られるんじゃぞ?
彼氏よ。おぬしは恵まれておることを分かっておらん!
…うらやm…汚らわしい!
えっ?そうじゃない?
真面目に答えてやるかの?ワシは、シメオンだからの!
「神に祈り、後悔を述べるんじゃ!さすれば、男の心も導かれる」「感謝します!」
うんうん。女遊びをする不届き者は、虫歯にでもなれば良いんじゃ!感謝します!
次じゃの!次はその少女じゃ!
「今日の食事がありません」
奇遇じゃの!神父に修行しろと怒られワシも朝ご飯抜きじゃ!
えっ?違う?
食事を買うお金がない…。
かわいそうじゃの。
神に食事にありつけるように祈っておくからの!
ん?そこの少年、パンを分けてくれるのか!ワシにも?しょうがないの…降りるかの?
パンをもらいに行くわけじゃないんじゃ!今日だけ特別に、祝福しに降りるんじゃ!
……毎日降りているがの。
「シメオン様もどうぞ!」
おぉ~ワシの朝ご飯じゃ!神もよろこんでおられるぞ!
ちょっと先に上にパンだけ置いてくるからの!
誰かに食べられたいとかではないんじゃ!ただ、一旦神に捧げるだけじゃ!
「さて、祝福を与えるからの!」
ん?何じゃ!
鳥がパンを持っていった?
………神の恵みのお裾分けじゃ。
…ワシの食事。
「感謝します!」
なぜじゃ?動物にも情けをかけるのは、素晴らしい?
……もちろんじゃ!
神の意志だからの!
1羽の鳥にも食い物の恨みじゃ! ……神の意志だから許すがの……ワシの食事……うぅ……
感動したからもっとパンをくれる?
良いのか?今度はちゃんと、取られないようにワシの身体の中に収めるからの!
違うのじゃ!食べるんじゃない! ……一時保存じゃ! ……ほんの少し、味見しておくのじゃ!(?)
「神は喜んでおられるのじゃ」「感謝します!」
………これで良いはずじゃ。
余った分は、ワシの部屋にでも持って帰るかの。
どこに行くのか?
……神殿で神の前に捧げるだけじゃ!ワシの家に持って帰るんじゃない!
神父よ!戻ったぞい!
このパンは、何かと?
これは、捧げ物じゃ!これで、今日の晩ご飯には困らんぞ!
えっ?修行の成果?
そうじゃの…。恋愛の悩みを解決したぞ!
ほか…?
あっ!空腹の少女と鳥を助けたのじゃ!
何でパンを持って帰ってきたのか?
責任を持って食べないともったいないじゃろ?
なぜ黙るんじゃ!なんじゃ!何のため息じゃ!
わかったぞ!おぬしもパンが欲しいのじゃな!
しょうがないの!特別じゃぞ?
どこを指してるんじゃ?だれもおらんぞ?
ん?もう一回柱に上ってこい?
しかも、昼食抜き?
なぜじゃ!あぁ、ワシの食料奪わないでおくれ……。
うぅ…世知辛い世の中じゃ…。
ワシは、シメオン。民に神の教えを説く者じゃ!
悩み相談はじめました!by柱の上の修行僧シメオン ヨリ @yori-2024
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